宮﨑機械システムは、定(低)張力センター式テーピング装置(鞘付)の「テーピング装置および張力検出装置TPC500—E」が、通信ケーブルの製造メーカーをはじめとした、各種電線メーカーなどのユーザーからの好調な受注が続いており、20年からのコロナ禍にあっても、毎年コンスタントな出荷を続けているという。
従来、同モデルでは、張力推移の監視までは不可能だったが、同社独自の「動張力監視システム」を取り付けることでリアルタイム制御の可視化を実現し、特許を取得。同型のテーピング装置に後付けできる点もユーザーからの評価が高い。
同システムのポイントは、テープ張力をリアルタイムで測定するためのユニットだ。このユニットは、外付可能な設備として独立している。測定値は、テーピングヘッドに外付けされた無線送信器から制御装置に随時フィードバック送信され、ヒステリシスブレーキによって張力を調整する。遠心力による張力増加は、テープのみを引き出して走線張力計で測定された数値を基準に補正をかける。この工程はすべてグラフ化され、ディスプレイで常時監視可能であり、設定張力に対して±100gという精度での制御が可能だ。
また、しきい値以上の異常張力時にはインターロックが作動する。同システムは既存機への後付けも行える。
構造・設計面では、テープパッド軸にヒステリシスブレーキを取り付けてメカロスを最小限に抑えることで、安定した低張力運転を実現した。さらに高速回転時は、風圧防止ガイド(鞘)が威力を発揮することで、高速運転時/稼働時にも安定した低張力が得られるようにした。これにより競合他社との差別化を図ることができ、好調な受注につながっている。
テーピング装置では、一定で安定したテンションコントロールのノウハウが、マシンの性能のかなめであり、同社は業界トップクラスの技術力を同機の開発に結集させた。
さらに同社は、メンテナンス業務にも注力しており、お盆およびゴールデンウイークにもメンテナンスサービスの対応が可能。これにより機械の信頼性を高め、顧客の信頼を獲得している点も受注に繋がっている。