電気の豆知識 ~いつか役立つ⁉︎ 電気にまつわる雑学篇~ 「リニアモーターカー

夢の乗り物が、いよいよ!?

リニアモーターカーの研究が始まったのは1962(昭和37)年といいますから、実に60年以上も前です。「宙に浮いてすごいスピードで走る夢の乗り物だ!」と、子どもの頃に知った人も多いでしょう。「未来になったら乗れるんだ!」と、わくわくした人もいるのではないでしょうか。それから大人になるまで幾度となく、この夢の乗り物のニュースを目にするわけですが、いつも開発途中や実験段階のトピックだったような。鉄道ファンならずとも早く乗ってみたいものですが、よほど難しい技術なのでしょう。しかし、夢物語ではありませんでした。
研究開発は私たちの知らないところで進んでいたようで、とうとう、いよいよ、JR東海の「リニア中央新幹線」東京・名古屋間が4年後の2027年に開業! と思ったのもつかの間、静岡工区で県との折り合いがつかず、開業時期は延期になるのだとか。夢への道のりは遠いものですね。
さて、そうした事情はともかくとして、ここでは「超電導リニア」のひみつに(少しだけ)迫ってみましょう。

時速500キロ!東京・大阪間67分!

東京オリンピックが開催された1964(昭和39)年10月、東海道新幹線が開業し、東京駅から下り「ひかり1号」が、新大阪駅から上り「ひかり2号」が出発しました。営業列車として世界最速の時速210キロメートル、特急「こだま」より2時間半も早い4時間で東京・大阪間を走行する“夢の超特急”です。
そして半世紀以上がたち、現在は最高時速285キロメートルの「のぞみ」が東京・大阪間を2時間21分で結んでいます。
鉄道の歴史は、スピードに挑み続ける歴史でもあるのでしょう。「リニア中央新幹線」が開通すれば、東京(品川駅)・大阪(新大阪駅)間はなんと67分。最高時速500キロメートルで、まさに飛ぶように走ります。

新幹線を浮かせるという発想

電車は、その名の通り電気でモーターを回して走ります。新幹線のスピードアップも一言でいえば、モーターの性能を向上させ、車両の形状や構造を改善することで実現してきました。しかし、レールの上を車輪が転がるという走法では限界があり、そこで考え出されたのが“浮かせる”という方法です。
それではリニアモーターカーの仕組みを、ごく簡単に説明しましょう。というか、専門的すぎて、ごく簡単にしか説明できません……。どうぞあしからず。

乗ってみたいぞ、超電導リニア!

物質を冷却することで電気抵抗がゼロになる現象を「超電導」といいます。電気がとても流れやすい状態です。この超電導状態になったコイルに電気を流すと、電気はコイルの中を半永久的に流れ続け、「超電導磁石」になります。この力を利用しているのが「超電導リニア」と呼ばれるリニアモーターカーです。うーん、難しい。
ちなみに余談ですが、「超電導」は「超伝導」とも表記します。どちらも同じ意味で使われていますが、「電」は主に経済産業省が、「伝」は主に文部科学省が使用しているのだそう。ここで見る限り、リニア関連は「超電導」で統一されているようです。
話を戻します。もっと根本的な仕組みをいえば、磁石にはN極とS極があり、NとSは引き合い、NとNやSとSは反発し合うのはご承知の通り。リニアモーターカーは、この磁石の性質を利用しています。
つまり、車両には「超電導磁石」が、「ガイドウェイ」と呼ばれる走行路の壁には「浮上・案内コイル」と「推進コイル」が設置されていて、それらが磁石の性質を生み出すことによって車両を浮き上がらせ、押し進めるのだそうです。
従ってリニアモーターカーにはレールがないだけでなく、運転士も乗車しないというから驚きです。しかも、あの長大な新幹線が10cmほども浮くというのですから、もう走るというよりは“飛ぶ”に近いのではないでしょうか。ぜひ体感してみたいものです。

(参考:「京都府リニア中央新幹線推進協議会」「リニア中央新幹線建設促進期成同盟会」ホームページ、他)