シコラジャパン 線引塔で高精度測定 各種光ファイバー測定器

シコラジャパンの「FIBER Series6000」は、線引き工程での光ファイバー外径測定やエアライン検出し温度測定をする革新的な装置だ。温度と張力は光ファイバーの性能に大きな影響を与える重要な要素にもなり、長距離にわたる高速かつロスレスのデータ伝送はネットワーク化が進む社会にとって極めて重要だ。
「FIBER TEMP 6003」は、光ファイバーの温度を測定する独立型測定器で、光ファイバーの温度を測定・管理することで、冷却用ヘリウムの消費を最小限に抑えるというメリットを持つ。測定ヘッドは線引工程の線引炉制御用途としてホット側に、もしくは被覆温度調整用途としてコールド側に設置することが可能だ。ホット側では炉制御のために重要とされるパラメーターを提供し、コールド側ではコーティングに入る前の光ファイバーの温度を最適化する。ホット側での測定温度範囲は500℃~1千500℃、コールド側では40℃~120℃としている。
また、安定した温度を保ち工程を最適化するには、両側での2台による測定が効果的だ。適用外径は100~500μmで、測定回数は100回/sec、測定精度はコールド側で1℃となっている。
さらに、同社のプロセッサー・システム「FIBER ECOCONTROL」と組み合わせることで、15インチモニターで測定結果を確認できる。時間または長さ(オプション)ごとの全値のトレンド表および単値の分布グラフ(統計分布曲線)、さらに最小値、最大値、平均値、標準偏差、CpやCpk(工程能力指数)を含めた統計により、精度の高い線引工程を実現する。

張力を高精度に測定 最大10kHzの測定速度

「FIBER TENSION 6003」は、線引塔内の光ファイバーの張力を高精度に測定する。ユニークな独立式測定ヘッドにより、既設の線引塔にも対応し、特にプレミアム用に加工される光ファイバーを対象としている。
製品径は最大2㎜まで対応し、測定速度は最大10kHz。測定範囲は最大400gで±0・1gという安定した測定を実現した。
測定原理は、ガラスの屈折特性(複屈曲)に基づいて、測定範囲内でのファイバーの位置、生産速度、振動といった工程上の影響にかかわらず安定した測定ができるため、迅速かつ最高精度の張力制御が可能だ。よって、光ファイバーの高・低温側での測定に使用でき、冷却前および冷却後いずれに設置しても、より信頼性の高い測定値を生成し、張力を即座に制御できる利点を持つ。
同社は2製品のデモ機を用意し、高い性能や使い勝手を体感することを勧めている。また、同シリーズにはほかに、コブ検出器「FIBER LUMP 6003」(3軸)/「FIBER LUMP 6003 MICRO」(6軸)、エアライン(エアポケット)検出器「FIBER LASER 6003 AIRLINE」、外径測定器「FIBER LASER 6003」、コーティングの同芯度測定器「FIBER 6003CCE」などの測定検査機一式をラインナップしている。

電線新聞 4319号掲載