ジャンボびっくり見本市・東京 電線各社、DC向けに照準 アルミケーブル体制整う

 電設業界国内最大の展示会「ジャンボびっくり見本市」(主催:ジャンボびっくり見本市協議委員会)が、4月17・18日の両日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された。テーマは「答えはここに!未来を変えるソリューション」。本年も昨年に続き東京会場での先行開催となった。

 東京会場での出展社数は昨年より17社増え、過去最多の215社が最新の電設資材、電子制御、情報通信、セキュリティなど注力商品を展示した。同展示会は毎年、週末に開催され、4月18日の土曜日の会場は家族連れや観光客で朝から賑わった。

防犯対策になお課題

 直近の建設・電販市場は、人手不足や案件延期、ペンディングが相つぎ、需要減少の傾向が見られる。潜在的需要は多いものの、ユーザーによってはサプライチェーンの好不調もあるようだ。

 テーマゾーンは「省エネ、防犯・災害対策、環境対応」など、業界が抱える課題解決への最新ソリューションを集結させていた。今回は「サステナブルな未来を拓くイノベーション」をテーマに、オフィスの省エネ化や最新の防犯・防災システム、2050年カーボンニュートラル実現へ向けたGX(グリーントランスフォーメーション)への取り組みが紹介された。ここでは電線業界でも力を入れているアルミ電線の利点や配線ソリューションをパネルと実物で紹介し、来場者は銅とアルミケーブルの相違を体験していた。

 特に防犯対策ゾーンは、太陽光発電施設でのケーブル盗難を受け、設置スペースを拡充。アルミケーブルは銅に比べ価格変動や盗難のリスクを軽減することができ、リサイクルも容易だ。

 古河電工グループやSFCCが提供するアルミケーブルは、一目でアルミケーブルと分かる青シースになっていて、青シースは西日本電線のCVTケーブルや住電HSTケーブルのCVにも採用されている。またアルミ電線と銅製設備を繋ぐ「バイメタル端子」も紹介されていた。

グリーン電力に注力

 セキュリティ対策では、信号灯や回転灯などの報知機器を扱うパトライトとDXアンテナ連動の太陽光発電向け「SOLAR GUARD」システムを提案した。AIを駆使して侵入者をカメラで検知し音と光で威嚇、通報する。両社の強みを生かし盗難を抑止する。カメラは50m以内の人影も検知できるという。

 GX(環境商材)対策としてCO2排出量が少ないグリーン電力100%で作られる因幡電機産業の合成樹脂製可とう電線管やPF菅、CD菅が展示された。樹脂材について「今後も中東情勢の情報収集が欠かせない」と同社東日本仕入れ管理課長塩村元氏は話す。

 FAゾーンでは、スマートファクトリーを意識した取り組みから、無人搬送車の出展が目立った。東京機械製作所の屋外対応で全天候型AGV車は生産現場の省人・省力化を図る。建販やFA市場は良好とはいえないが、会場では将来世代に引き継ぐ場を見いだす柔軟な知恵と工夫が散見された。

アルミへの移行整う

 電線業界の各ブースでは、データセンター(DC)向けに注力した製品が多く見られた。東京冨士電線のLAN用ツイストペアケーブル「HFSーTPCC5」は屋外でも対応でき、広帯域にわたり高い遮へい特性を持つ。125℃の温度環境での使用も可能。DCでのサーバー向けとしても効果を発揮する。

 住電HSTケーブルでは、スリムアースCVを紹介した。サイズダウンしたアース線を内蔵したことで軽量化を実現。同社はケーブル盗難対策として、アルミケーブルに力を入れる。銅導体ケーブル比で50%の軽量化を図り、くせが付きにくく配線の施工効率も大幅に向上している。

「国内は銅の高騰が止まらない中、依然、電線が狙われる事態が増えている。アルミは市場価格が安く変動幅も小さいためメリットがある。盗難抑止効果として青シースに移行したので定着させたい。DCでの活用も期待できる」と、大阪電販部部長の冨屋亮介氏は手応えをみせていた。アルミケーブルの端子付け体験会も行われ、ブースでは人だかりが見られた。

 三ッ星はアルミ合金導体を使用した溶接ケーブル「ALーWCT」を紹介した。従来のWCT(銅)に比べ柔らかく、50%軽量化し溶接作業者の負担を軽減する。難燃性や耐候性も併せ持つ。

 通信制御や消防用ケーブルを製造・販売する伸興電線は、エコ仕様の低圧耐火電線「EMーEP」シリーズ拡充を図り新たに150㎟~325㎟を揃えた。燃焼時に煙の発生が少なく消火栓など防火設備向け電源供給用を用途に近く販売される。

 4月24、25日の両日にはインテックス大阪でも同展が開催された。

電線新聞 4429号掲載