共立 新型EDR/ECRキャリア 張力表示ダイヤル搭載

共立は、LCR系キャリアをフルモデルチェンジした、高速度編組機用のEDR/ECRキャリアを発売し、電線・ケーブル業界から注目されている。

EDRキャリアは、本体を樹脂製カバーで覆うことで、ガイドローラーと張力ダイヤルだけが露出する外形となった。従来品で生じていた素線の巻き込みや部品への干渉が抑えられ、素線をローラーに掛けやすくなったことで、作業時の操作性が向上した。

張力の表示は同社が得意とする「ダイヤル目盛り表示」を採用した。1台でさまざまな品種に対応する場合、張力の変更には手間と時間がかかっていたが、張力表示がひと目で分かることで、作業者の熟練度や経験値にかかわらず、瞬時に張力を合わせられる。

ラチェット回りも大幅に改善されている。ラチェットホイルの歯数は従来型の36Tから2倍の72Tに増やし、より小刻みな張力制御を実現した。また、歯の形状を見直したことで、高線速時の張力制御が正確でなめらかとなった。ラチェット受金は本体右側に移して形状も変更。従来は張力変更のときに工具が必要だったが、簡単に張力変更することが可能になった。また、ラチェット受金を引いて張力を弱めるときも張力が狂いにくくなっている。

他に、弓張の分割による線掛け作業性の向上、カム板形状変更による安定張力、停止片ガイド部品を見直しによるメカニカルロスの軽減など、さまざまな改善が行われている。また、現行型キャリアと互換性を持たせ、従来キャリアから新型への改造にも同社は対応している。

「中仕様」(張力範囲150〜550cN)と「中強仕様」(張力範囲250〜750cN)の2タイプが最も引き合いが多いという。

ECRキャリアは低価格のスタンダードモデル。ローラーにはセラミックとブッシュタイプがあり、セラミックタイプは「滑りがよく、線路がしっかりしている」と顧客からも好評だ。また、張力はメモリ表示で、張力変更には工具が必要となる。

電線新聞 4349号掲載