古河電工は3月22日、ラマン増幅器用デュアルポート励起光源の高性能化に成功したと発表した。
近年、通信伝送速度の高速化が求められる中、信号受信側のOSNRの低下による伝送距離の短尺化が課題となっている。特に既存の通信システムを活用して高速化する場合、信号光の品質を劣化させずに光出力を増幅するラマン増幅器の役割が重要になっている。
また、高速伝送により信号の波長幅が広がるため、大容量伝送を両立するには波長帯域の拡大が必要となり、励起用光源の波長を選択することで任意の信号光源を増幅できるラマン増幅器には高い柔軟性が求められる。
一方で今後のS帯・C帯・L帯への帯域拡張を踏まえると、励起光源は、省スペースかつ高出力低消費電力駆動であることが重要になる。
今回、2ポートから異なる波長の光スペクトル特性と500mWの均一な光出力特性を確認できたことで、波長と光出力が自由に選択可能となり、ラマン増幅器の設計の柔軟性が高まった。また、高出力励起光源の省スペース化により、ラマン増幅器およびシステム全体の小型化にも貢献する。
同製品は、3月26〜28日に米国サンディエゴで開催されたOFC2024で展示された。量産開始は25年度上期を予定。