住友電工 新型レドックスフロー電池を発表

 住友電工は、9月17日〜19日に幕張メッセで開催された「SMART ENERGY WEEK【秋】第18回SMART GRID EXPO【秋】国際スマートグリッド展」において、レドックスフロー電池「V40シリーズ」を出展した。

 レドックスフロー電池は、バナジウムなどのイオンの酸化還元反応で充放電する蓄電池。電極や電解液の劣化が少なく長寿命で、発火性材料を使わず常温運転が可能なため安全性が高い。電力系統用蓄電池に適しており、再生可能エネルギーの導入拡大に不可欠な系統安定化技術として期待されている。

 V40シリーズは、レドックスフロー電池の高い安全性や環境性能を維持しつつ、劣化の少ない材料を採用することで、最長30年の運用を可能にした。従来型の20年から寿命が延びたことで、投資採算性が飛躍的に向上し、長期脱炭素電源オークションにおける応札価格の低減にもつながるとしている。

 性能面では電池出力が従来比約30%増加し、必要な電池の台数を削減できる。エネルギー密度(電解液1㎥あたりに蓄えられるエネルギー量)も向上しているため、電解液の使用量も抑えられる。これにより、システム導入費用を低減できるだけでなく、省スペース化も実現できる。

 同社は、V40シリーズを系統用蓄電池や長期脱炭素電源オークションにも適した製品と位置付け、来年1月から受注を開始する予定だ。

電線新聞 4408号掲載