監視カメラ関連機器特集

多彩な国際イベント控え
今後も期待できる市場

2017年度の映像監視装置の国内推定市場規模は、前年度比95・0%と2年連続の減少となったが、比較的高水準を維持している。高機能化やネットワーク化など、技術が着実に向上していることに加え、安全な生活を守るためのツールとしてだけではなく、犯罪捜査に利用されるなど、果たす役割が年々大きくなっていることから、今後も成長が期待されている。

犯罪調査への活用など果たす役割は年々拡大

日本防犯設備協会が今月に発表した資料によると、2017年度の映像監視装置の国内推定市場規模は、約1546億円で、前年度比95・0%と推定され、2年連続の減少となった。
また、2012年度の国内推定市場規模を100とした指数で見ると116で4年前とほぼ同水準となっており、比較的高水準を維持している。
防犯カメラと周辺機器構成比を見ると、ネットワークカメラの構成比が増加している。これは、ネットワークカメラの映像データを画像解析へ利用するなど、防犯目的以外の分野へ用途が広がっていることも一因と同協会は見ている。
また、同協会では、市場規模について、カメラ/レコーダーの各品目とも前年度比で全般的に減少している(基礎統計参照)としており、この要因のひとつとしては、メーカー間の競争による販売価格の低下があるものと推測している。
このほか、同協会では今年度から、アナログHDカメラ/レコーダーの統計調査を開始した。「アナログHDカメラ/レコーダーの市場規模は、既にHD—SDIカメラ/レコーダーを上回っている」(同協会)。

日本防犯設備協会防犯設備士の認知度や期待高める活動を展開

日本防犯設備協会では、防犯整備士と優良防犯機器認定制度(RBSS)の2つを中核とした事業を展開している。
防犯設備士は防犯設備機器の設計・施工・維持管理といった防犯システムの専門家にふさわしい資格で、現在の登録人数は2万8千人を超えている。今年の賀詞交歓会であいさつに立った伊藤泰之会長は、「防犯設備士の皆さんが各地で防犯の診断や相談を進めているということで、こういう活動が防犯設備士への認知度や期待を高めている。こうした活動の場をさらに拡大して、認知度をさらに高めるために、今年も力を入れていきたい」と述べている。
2019年度の試験開催日程は別表の通り。
一方で、防犯カメラやデジタルレコーダを対象としたRBSS(優良防犯機器認定制度)は2008年からスタートしており、累計の認定型式数は防犯カメラ479型式、デジタルレコーダが179型式となっている(2019年2月現在)。2014年度からは、LED防犯灯に関してもRBSSをスタートしており、既に164型式となっている(2019年2月現在)。伊藤会長はRBSSについても「地方自治体にもかなり浸透して、認知度が上がっている。社会情勢や技術革新の動向を見極めながら、こういった制度の充実をはかりたい」と述べており一層の普及が期待される。