電線工業会は、「電線業界の取引適正化のために」と題し、第5回フォローアップアンケート(回答数25社、前回比11社減)の結果をまとめた。これによると、取引適正化ガイドラインを九割弱が周知理解する一方、取引先が理解を示さないケースは一割あることが明らかとなった。また、「取引基本契約書事例案を活用し、契約の見直しを要請した」という回答は二割に留まり、四割強が準備段階にある。
取引適正化ガイドラインの周知は進んでいる。同ガイドラインに関して「知っており、内容も把握している」88.0%(前回比7.5ポイント増)、「知っているが内容までは確認していない」12.0%(同7.4ポイント減)となり、ガイドラインの周知理解は九割弱に達した。また、電線工業会主催の同ガイドライン説明会への参加実績も「代表者又は社員が参加し、内容を理解した」は、全体の八割に上った。
同ガイドラインの共有化と活用も進んでおり、「勉強会等を実施し社内で共有化できている」54.5%(同10.4ポイント増)、「社内の一部のみで共有化できている」31.8%(同15.3ポイント減)、「共有化していない」13.6%(同4.8ポイント増)となった。「同ガイドラインを営業に活用しているか」の問いには、「取引先に対し改めて商慣習の改善活動を行った」36.4%(同2・1ポイント増)、「これから営業活動に活用する」50.0%(同6.2ポイント増)、「特に何もする予定はない」13.6%(同8.3ポイント減)となった。
一方で、取引先が理解を示さないケースは一割残っている。同ガイドラインを活用したケースに対し、「取引先は理解を示してくれた」80.0%(同11.7ポイント減)、「取引先は理解を示し具体的に改善対応をしてくれた」10.0%、「取引先は理解を示してくれない」10.0%(同1.7ポイント増)となった。
取引契約書の要請二割今後の予定無しは三割
また、電線工業会が開示した取引基本契約書事例案の活用について、「取引先に対して事例案を参考にして契約の見直し(新規契約を含む)を要請した」20.0%、「これから営業活動に活用するため準備を進めている」44.0%、「特に何もする予定はない」32.0%、その他4.0%となった。現状、準備を進めているという回答が最も多く、既に要請したケースは二割に留まった。活用したケースのうち「取引先は理解を示してくれた」は75.0%、「取引先は理解を示し具体的に改善対応をしてくれた」12.5%、「その他」12.5%となり、「理解を示してくれない」という回答件数はゼロだった。
一方で、17年3月、経産省と国交省の局長連名で発した「電線の取引条件の改善に向けた取組み」の要請文については「要請文は知らなかった」が全体の2割を占める。「内容は承知しており既に活用している」42.3%(同5.3ポイント増)、「今後活用していきたい」26.9%(同12・6ポイント減)、「その他」11・5%(同6.2ポイント増)となった。
発注者としての立場で下請法など取引改善に向けた取り組みを「している」と答えたのは68.0%(同11・4ポイント減)、「していない」28.0%(同10.3ポイント増)、「その他」4.0%(同1.1ポイント増)となり、改善に取り組んでいるとした回答は7割弱に留まった。