【日東工業】屋外キャビネットの風雨性能評価基準を制定

風雨を同時評価

日東工業(株)は、屋外キャビネットの風と雨を同時に試験評価する規格に基づいた自社の風雨性能評価基準を制定した。

●制定の背景
情報化社会の発展に伴い、屋外に設置される監視カメラ、携帯基地局など情報通信インフラの重要度が増す中、それらに使用される電源や情報通信機器を収納する屋外キャビネットは台風や暴風雨などによる影響を強く受けるため、過酷な自然環境にも耐えられる性能の要求が増えている。

●従来の評価基準の問題点
従来、キャビネットは「危険な箇所への接近や外来固形物の侵入」と「水の浸入に対する保護」について別々に試験評価さ
れ、IP性能(防ぼう塵じん、防水性能)で表示されていた。

●新基準の内容
新しく制定された屋外キャビネットの風雨性能評価基準は、(一財)建材試験センターと(国研)防災科学技術研究所の協力で制定。試験には風と雨の同時性を考慮した規格「キャビネット及び宅配ボックスの水漏れ試験方法(送風散水試験法)」(JSTM W 6401:2020)を適用して評価を行い、風雨等級(WP)で表示する。表記方法は下図の通りである。

●WPの対応製品
同社では市場ニーズに応える製品を提供するため、従来のIP性能表示に加えて台風等を模擬した強風、降雨、風圧を作り出すことができる独自のシミュレーション設備「風雨試験設備」を使用し、屋外キャビネットの風雨性能の評価を進めている。対応製品には風雨等級(WP)を追加して表示することで、さらなる電気と情報通信のインフラをサポートしていくとのこと。

オーム社「電気と工事」2020年7月号掲載