古河電工 HVDCケーブル製造に1千億円投資

記者会見資料より

 古河電工は8日、同日開催した取締役会において、高圧直流送電(HVDC)ケーブルの生産設備に関する1千億円規模の投資を決議したと発表した。7日に経済産業省の「GXサプライチェーン構築支援事業」への採択が決定したことを受け、政府が掲げる2050年カーボンニュートラルの実現に向けた基幹インフラの整備を目指す。2030年中の稼働を予定している。

 同社は、フランスの電線メーカー・ネクサンスから千葉県富津市の土地を購入し、新しい工場を建設する。HVDCケーブル製造設備や建物を導入し、500kV級の直流送電を可能とするケーブルの製造・販売を行う計画だ。補助率は3分の1で、補助金の上限は約307億円。補助対象期間は25年11月~29年12月となっている。完成後の生産能力は、500kV級の代表的なケーブル仕様で年間200kmを見込む。

 同社グループは、「『つづく』をつくり、世界を明るくする。」をパーパスに掲げ、社会課題の解決に取り組んでいる。もエネルギーインフラ統括部門ではカーボンニュートラルの分野に着目し、成長戦略の検討を進めてきた。今後もカーボンニュートラルの需要の広がりを見据え、アジアや中東を中心とした海外展開を進める方針。最新鋭の設備・技術を導入し、生産性にすぐれた製造ラインの構築と、世界最高水準の品質を目指すとしている。

 この計画が、26年3月期の連結業績に与える影響については軽微と見込むが、今後、新たに公表が必要な事項が生じた場合には速やかに開示する方針だ。

電線新聞 4409号掲載