経産省 夏季の省エネの取り組み実践への協力呼びかける

政府も室温の適正化や照明の削減などを推進

経済産業省はこのほど、6月から9月における夏季の省エネルギーの取組を促進するため、「夏季の省エネルギーの取組について」を決定した。省エネルギーの普及活動を行い、国民に対して省エネルギーの取り組みの実践への協力を呼びかけるとともに、政府も率先して冷房中の室温の適正化や照明の削減など、省エネルギーの取り組みを実践する。

政府では2015年7月に総合資源エネルギー調査会において「長期エネルギー需給見通し」を決定し、徹底した省エネルギーの推進により、2030年度に原油換算で「最終エネルギー消費で5030万<CODE NUM=0110>程度の省エネルギーを実施する」ことが示された。また、同7月、地球温暖化対策推進本部にて、温室効果ガスを2030年度に2013年度比26%減少させるという削減目標を含む、我が国の約束草案を決定した。この「日本の約束草案」や2015年12月に合意されたパリ協定を踏まえ、2016年5月に「地球温暖化対策計画」及び「政府がその事務及び事業に関し温室効果ガスの排出の抑制等のため実行すべき措置について定める計画」が閣議決定され、地球温暖化対策の中でも徹底した省エネルギーの取り組みを進めている。
省エネルギー・低炭素社会への転換は、我慢を強いることではなく、無駄を省いて快適に生活するというものであり、各分野における省エネルギー行動の変革促進を一層進めるためには、省エネルギーについて一人でも多くの人に効果的に理解してもらうことが必要との観点から、省エネルギーに係る情報提供を行い、具体的な行動に結びつけていくための取り組みを進める。
①省エネルギー関連の展示会への政府出展や家電製品の省エネ性能カタログによる情報発信、WEBシステム「省エネ製品買換ナビゲーション『しんきゅうさん』」の活用による省エネルギー・低炭素型の製品の買い換え、省エネルギー月間の広報などきめ細かな情報提供及び普及啓発活動等を実施
②クールビズの実施徹底を促進し実施率のさらなる引き上げを図る等、国民運動「COOL CHOICE」の推進を通じたライフスタイルの転換を引き続き呼びかける
③自治体の庁舎・建築物の省エネルギー改修・建替えを進め、地域の省エネルギーの先進事例として、地域全体への波及効果を含めて地域の省エネルギー化を実現
④各家庭のライフスタイルに合わせた省エネルギー、省CO2対策を提案し、効果的な対策に結びつける「家庭エコ診断」を引き続き実施。各産業界に対しても、周知ならびに協力を要請する。
住宅・ビル等の省エネルギー対応では、ディマンドリスポンスに対応した時間帯別・季節別の電気料金メニューが選択できる場合はその活用に努めるとともに、エネルギー管理システム(BEMS・HEMS等)の導入により、ビルの運用方法、住宅の住まい方の改善によるピーク対策及び省エネルギーに努めることとしている。
ビル等においては、電力需給が厳しくなった地域では省エネルギー診断やESCO診断等を活用し、より高効率な設備・機器の導入や適切な運転方法の見直し等により、省エネルギー化を進めることとしている。
工場・事業場関係においては、①省エネ法に基づくエネルギー管理の実施②自主的な省エネルギーへの取り組みの推進を図る。
運輸関係においては、①省エネ法に基づくエネルギー管理の実施②公共交通機関の利用促進③エネルギー消費効率のよい輸送機関の選択④エコドライブの実践を進める。
また、家電機器、OA機器等のエネルギー消費機器の購入については、省エネ法に基づくトップランナー基準の達成状況を示す省エネルギーラベル及び米国環境保護庁が定めた国際的省エネルギー制度による国際エネルギースターロゴの表示、また、政府、事業者等が提供するエネルギー消費効率に関する情報やスマートライフジャパン推進フォーラムの活動を参考としつつ、省エネルギー性能の高い機器の選択に努めることとしている。
とくに、家庭用エアコンディショナー、家庭用電気冷蔵庫、家庭用電気冷凍庫、テレビジョン受信機、蛍光灯器具、電気便座の購入に当たっては、統一省エネルギーラベルによる5段階の省エネルギー性能表示に留意し、省エネルギー性能の高い製品の選択に努めることとしている。

省エネルギーラベル

国際エネルギースターロゴ

統一省エネルギーラベル
 

電材流通新聞2018年6月28日号掲載