【NECA】2019年度電気制御機器の出荷見通し

国内は4300億円(前年度比100.3%)を予測
輸出見通しは2700億円(前年度比 96.0%)に

日本電気制御機器工業会(舩木俊之会長、NECA)はこのほど、2019年度の自主統計による電気制御機器の出荷見通しについて発表した。

①2018年度の出荷見込み
国内は、年間を通して堅調な設備投資と東京オリンピックのインフラ投資の影響により、前年以上の出荷が見込めるため前年比101.3%の4288億円と予測する。
輸出は、2017年度の1Q、2Qのアジア圏を中心とした半導体/FPDでのPLC・FAシステム機器の特需の影響で2018年度の1Q、2Qが大きく前年を割り込むとともに、米中の貿易摩擦の影響が4Qで顕著になってきたことから前年比89.1%の2812億円と前年比で2ケタ減と予測する。
総額では、前年比96.1%の7100億円と輸出の2ケタの前年割れを国内出荷でカバーすることにより、過去最高であった2017年度の7386億円に次ぐ出荷実績が確保できると予測する。

②2019年度の出荷見通し

国内見通しは上期2100億円(前期比95.9%、前年同期比100.1%)、下期2200億円(前期比104.8%、前年同期比100.5%)、通年では2018年度とほぼ同等の4300億円(前年比100.3%)を予測する。
国内は人手不足対策のためのロボットなどを活用した自動化やIoT化投資は引き続き堅調に推移するとともに東京オリンピックの準備の最終年度としてのインフラ投資も期待できる。
一方、中国の景気低迷の影響は国内の顧客の輸出向けに影響するが、国内市場でカバーできる範囲と予測し前年同等の出荷見通しとする。
輸出見通しは上期1300億円(前期比95.7%、前年同期比89.5%)、下期1400億円(前期比107.7%、前年同期比103.0%)、通年では2700億円(前年比96.0%)を予測する。
2018年度4Qに顕著になってきた中国の景気低迷の影響は2019年度1Qまで継続すると想定され厳しい状況は続くが、欧米の景気は2018年度のような成長率は見込めないものの為替変化含め2018年度同等で推移すると予測するとともに、半導体製造装置の下期からの回復も期待されるため、通年では前年比で96.0%と予測する。
また、中国の景気動向は懸念されるものの、国内だけでなくグローバルに人手不足、賃金上昇、少子高齢化は共通課題となっている。
自動化、ロボット、IoT、AIなどの最先端のデジタル技術を応用しながら生産性向上を実現する流れはますます加速しており、出荷総額として7000億円の市場規模は維持できると予測する。

電材流通新聞2019年4月4日号掲載