「LEDioc FLOOD ZEST」
岩崎電気のLED投光器「LEDioc FLOOD ZEST」ならびに無線による調光システムが、20日に工事を終える明治神宮野球場(神宮球場)のナイター照明設備LED化において採用された。
神宮球場のナイター照明は1962(昭和37)年に設置され、LED化以前は1985・86(昭和60・61)年改修のメタルハライドランプと高圧ナトリウムランプの混光照明が使われていた。
LED化の内容は、既設のHID(高輝度放電灯)投光器756台(メタルハライドランプ1000W投光器504台と高圧ナトリウムランプ660W投光器252台)を効率の高い高演色形LED投光器720台に交換し、総消費電力を約44.2%削減するもの。
器具数量を減らしながらも既設同等の照度を確保して初期照度補正機能によって設置初期から寿命末期まで最適な設計照度を保ち、プロ野球で必要な空間照度を保ちつつ照度均斉度を向上させてまぶしさも既存照明より抑えている。
テレビ放映対応にJISの推奨値である平均演色評価数Ra80と色温度5000KのLEDを採用し、LED照明ならではの瞬時点灯・瞬時再始動が可能となっている。無線による調光システムに対応する調光機能(100%〜25%)も組み込んでおり、明るさを微調整できる。
LEDモジュールの寿命は4万時間(光束維持率85%時)で、既設メタルハライドランプ(定格寿命9千時間)の約4・4倍、高圧ナトリウムランプ(定格寿命1万2千時間)の約3・3倍の長寿命でメンテナンスコストも抑制する。新しい照明設備は、今シーズンより使用開始する。
LED交換後のイメージ
1、LED化の目的
電気使用量とメンテナンス費用抑制による高い省エネ性を実現(ランニングコスト削減)するとともに、選手や観客、テレビ放映に快適な照明環境を確保する。
2、採用されたLED投光器の特長
①高い省エネ性と調光機能
高効率のLED投光器(固有エネルギー消費効率 狭角97・1lm/W、中角・広角106・0lm/W)を採用・初期照度補正機能により設置初期からの余分な消費電力を削減、寿命末期まで設計照度を維持・調光機能(100%〜25%)により、必要に応じて明るさの微調節が可能。
②照明環境の向上
プロ野球で必要な空間照度を保ちつつ照度均斉度を向上し、グレアを感じる配光角が狭い投光器と最適な照明設計でまぶしさを抑制する。
③テレビ放映に快適な照明環境の確保
ハイビジョン撮影に対応した平均演色評価数Ra80と色温度5000KのLEDを使用して自然な色の見え方を再現するとともに、ハイスピードカメラ撮影の際のちらつきを独自の電源回路設計によりフリッカレス点灯で防止する。