換気の重要性訴求 コロナ禍で意識高まる
11月9日は「換気の日」。日本電機工業会換気扇専門委員会加盟5社(東芝キヤリア・日立グローバルライフソリューションズ・パナソニック・マックス・三菱電機)では、ホームページを通じて、換気の重要性を訴求し続けている。
日本電機工業会(JEMA)では、毎年11月9日を「換気の日」と定めて啓発活動を行っている。
JEMA換気扇専門委員会では、「換気の日Webサイト」を用いて、換気扇の正しく安全な使い方、また換気にまつわる制度についての認知度向上に努めてきた。
昨年からのコロナ禍の長引く影響により、一般消費者の「換気」に対する意識がより高まっている。同委員会では、これまでは一般家庭向けへの周知展開を中心に展開してきたが、コロナ禍における生活のなかで場所・季節問わず換気(換気扇)についてより幅広い展開が求められている。
さらに、家庭内以上に、外食や劇場などに出向く際、屋内店舗にも正しい換気が求められていることから、効率良く、かつ正しい換気の「情報提供」につなげることにより、換気への認識が深められると考えられることから、今年度の換気の日Webサイトのタイトルを「いま知りたい!正しい換気」にするとともに11月9日「換気の日」のキャンペーンを中心とした周知展開をはかる。
おもな取り組みとしては、まずは新規コンテンツを作成する。換気の日WebサイトTOP画面にてコンテンツ(新規作成)のボタンを設置し、訪問者へ積極的なページ閲覧を促すとともにさまざまな年齢層への誘引をはかる。
①今、身につけたい換気の正しい知識
②熱交換形換気扇とは?
③プレゼントキャンペーン
つぎに、11月9日「換気の日」プレゼントキャンペーンを展開する。今回のメイン課題でもある「換気に関する意識調査」の更新にともない、換気の日Webサイトへのさらなる誘致策を講じる。
また、Web広告については、「リスティング広告」「DSP広告」と複数種で広告展開してきたが、リスティング広告は検索に応じて表示されることから、継続して展開を行うとともに、昨年度実施し実績があったインフィード広告も継続展開する。
さらに、SNSによる展開も積極的に行う。これまではWeb検索の際のアクセス向上やキャンペーンに向けた展開が中心であったが、SNSを活用することにより、これまでに想定していなかった年齢層やより幅広い情報発信者を通じた展開が見込まれることから、新たな試みとして「twitter」の換気の日アカウントを開設し展開する。
キャンペーン展開時期については、今年もコロナ禍の影響が継続することに鑑みて昨年度同様、冬の時期に焦点を合わせて10月中旬〜1月までの展開とする。
空気質向上 総合提案など
昨年も金額ベースでプラス伸長となった換気扇市場は、今年に入っても好調を持続し、需要が拡大している。コロナ禍にあって軒並み厳しい状況にある商品が多いなかで、換気扇は数少ない好調な電材商品といえる。
日本電機工業会(JEMA)が発表した民生用電気機器国内出荷実績によると、2020年度は数量ベースこそ前年度比98・6%だったが、金額ベースでは同103・0%と前年度を超えるほど好調に推移した。
今年度に入ってもその勢いに陰りはみられず、4月から6月までの累計において、数量ベースで対前年同期比105・1%、金額ベースで111・6%を記録。6月単月でも、数量ベースで103・0%、金額ベースで110・6%と伸長を続けている。
換気扇市場はここ数年、堅調に推移している。市場に密接に関連すると言われてきた新設住宅着工件数が伸び悩んでいるなか、過去の傾向に倣えば、換気扇市場も大きな影響を受けてマイナス伸長を余儀なくされるところだが、逆にプラス伸長を続けている。
換気扇市場が安定しているのは、住宅でのリニューアルや非住宅分野での伸長も見逃せない。各メーカーでは、新たなニーズに的確に対応し、堅実な市場開拓を行ってきた。ここ数年の需要拡大は、その取り組みが奏功しているといえる。
さらに、直近の動きで注目すべきなのは、コロナの影響で換気の重要性をはじめ、室内の空気質への関心が高まってきたことだ。冬場においては、熱交換型換気扇の需要も増えてきている。この機を逃さず、換気扇を中心とした空気質の向上についての総合提案を行い、さらなる啓蒙を進めることが重要だ。
各メーカーでは、省エネ、リニューアル、空気質の向上、高付加価値化など、さまざまな切り口で市場のニーズをいち早く取り入れ、積極的な製品開発と提案を行っている。とくに、「空気質」と「健康」、さらにZEHやスマートウェルネス住宅などをキーワードにした製品開発が目立つ。
変わりつつあるユーザーニーズに対応しながら、さまざまな切り口で活路を見出している換気扇市場。大きな追い風が吹くなか、現在は第三種換気が中心となっている換気扇市場だが、コロナ対策が全世界の注目を集めるなか、換気の重要性をしっかりと啓蒙することで第一種換気への回帰を促すことが、今後の換気扇市場にとって大きな意味を持つことになるだろう。
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