総括判断「回復している」
財務省関東財務局はこのほど、東京都の経済情勢報告を発表した。それによると、総括判断では「都内経済は、回復している」とし、判断の要点としては「個人消費は回復しつつある」「生産活動は緩やかに持ち直しつつある」「雇用情勢は改善している」ことをあげた。また、先行きについては、「雇用・所得環境の改善が続くなかで各種政策の効果により着実に景気が回復していくことが期待される」一方で、「海外経済の動向などを注視する必要がある」と指摘している。
①個人消費
「回復しつつある」
百貨店・スーパー販売額は、天候不順の影響を受けたものの、前年を上回っている。コンビニエンスストア販売額及びショッピングセンター販売額は、前年を上回っている。乗用車の新車登録届出台数は、前年を下回っているものの、個人消費は全体としては回復しつつある。
②生産活動
「緩やかに持ち直しつつある」
輸送機械や電気機械は低下しているものの、はん用・生産用・業務用機械が持ち直しているなど、全体では緩やかに持ち直しつつある。
③雇用情勢
「改善している」
有効求人倍率が高水準で推移しているほか、完全失業率は低水準であるなど、改善している。
④設備投資
「平成29年度は増加見込みとなっている」※
平成29年度の設備投資計画額は、製造業では前年度比5・2%の増加見込み、非製造業は同8・9%の増加見込みとなっており、全産業では同7・7%の増加見込みとなっている。
⑤企業収益
「平成29年度は増益見込みとなっている」※
平成29年度の経常損益(除く「電気・ガス・水道業」、「金融業、保険業」)は、製造業では前年度比7・5%の増益見込み、非製造業では同4・9%の増益見込みとなっており、全産業では同5・8%の増益見込みとなっている。
これを規模別にみると、大企業は増益見込み、中堅企業、中小企業は減益見込みとなっている。
⑥企業の景況感
「現状判断は、3期連続の『上昇』超」※
企業の景況判断BSIは、3期連続の「上昇」超となっている。先行きについては、「上昇」超で推移する見通しとなっている。
⑦住宅建設
「前年を下回っている」
新設住宅着工戸数の足下の動きを均してみると、持家、貸家、分譲住宅いずれも前年を下回っている。
⑧公共事業「前年を下回っている」
前払金保証請負金額は、国、都道府県、市区町村などで前年を下回っている。
※全規模・全産業 「法人企業景気予測調査」平成30年1—3月期