深瀬商事 近赤外線式多成分計 食品加工技術展に出展

 10月27日に「食品加工技術展2023」が開催された。大阪産業局が運営する大阪産業創造館が会場となり、同展示会を主催した。

 三品(医薬品・食品・化粧品)産業は、衛生管理や異物混入リスクを鑑みてFA化が他産業に比して遅れていたこともあり、近年では電線業界を含めたさまざまな産業界からの新規参入対象となっていた。

 特に、食品業界ではHACCP(ハサップ)をキーワードとして、ハザード(危害要因)分析と効率的な工程管理が求められている。今回の展示会では、電線業界から深瀬商事が参加しており、HACCPの観点から各種製品を紹介していた。

 同社がコーンズテクノロジー社と扱うのは、旧NDCテクノロジーズ社(現ノードソンM&CS社)製の近赤外線式多成分計「InfraLab・eシリーズ・フードアナライザー」。同製品は、広範囲な食品製造工程において水分・脂肪分・油分・タンパク質といった主要成分の含有量が規定値を満たしているか測定することで、一貫した品質管理を行う。その最大の特長は、測定のスピードと安定性にある。従来の成分測定は、複数の複雑な分析方法を用いるため時間を要していたが、同製品は複数の成分測定を同時に5秒前後で行うことができる。また、温度・湿度や外乱光の影響をほぼ受けずに測定できるため、常に安定した精度を実現可能。同機の測定では、近赤外線の吸収原理を応用しているが、同社の60年以上にわたる計測ノウハウから独自に開発されたフィルタ構成とアルゴリズムによって外的影響を最小化している。さらに、卓上型でサンプルを同機にセットするだけのスキルレス仕様。較正も最初のオフセット調整のみで長期安定性を実現することが可能で、万が一の故障の際も国内のエンジニアが対応することができ、交換部品のストックも備えている。また、オンライン対応の「Series9」もラインナップしており、ラボでもラインでも適用可能だ。

 深瀬商事ブースでは、他にドミノ社のレーザーマーカーやインクジェットプリンター、システック・イリノイ社のガス透過率測定装置などを紹介していた。

電線新聞 4337号掲載