電気の豆知識 ~いつか役立つ!? 電気にまつわる雑学篇~ 「海底ケーブル」

海底ケーブルの長さは地球30周以上!?

日本列島に結ばれているケーブルだけでも約30本あるそうです。世界の海に張り巡らされた海底ケーブルは400本を超え、総延長は130万kmとも140万kmともいわれています。地球30周以上の長さです。

海底ケーブルとは、文字通り海底に敷設または埋設された電力用・通信用のケーブルのこと。芯線には光ファイバーが採用されています。大陸間における情報伝送の要であり、現代は国際電話やインターネット通信だけでなく、世界のニュースやスポーツなどの映像中継もこの海底ケーブルを介して行われています。高度3万6000kmに浮かぶ人工衛星を経由するよりも距離が短いためタイムラグがほぼなく、有線なので高速・大容量、高品質な情報を送受信できるからです。私たちが触れているスマートフォンやパソコンから世界中へは、空ではなく海を通ってつながっているのでした。

例えば、日本とアメリカ西海岸を結ぶ海底ケーブルは総延長1万km、最大深度は8000mに達するといいます。世界最高峰のエベレストが沈んでしまうような深さです。いったいどうやって工事をしているのでしょう。

海底ケーブルはどうやって敷いているの?

海底ケーブルを敷設する方法は、専用の船にケーブルを乗せて、ゆっくりと進みながらケーブルを海底に沈めていきます。接続先との距離が長い場合は双方から船を出し、中間地点でケーブルをつなぎます。

こう書くと簡単そうですが、海を越えて国同士を結ぶのですから、途方もなく大掛かりなプロジェクトであることは素人でも想像に難くありません。ケーブルの製造はもとより、敷設ルートの検討、海洋および地盤の調査、スケジュール設計、各種の許認可申請や各方面との調整など、実作業までにもクリアすべき課題が山積しており、完成までには数年を要するそうです。

海底ケーブルが切れたらどうするの?

浅い海だと漁船の網が引っ掛かったり、タンカーの巨大なイカリが直撃したりしてケーブルが損傷する可能性があります。逆に深すぎるとメンテナンスや修理の際の難易度が高くなり、復旧までの時間や費用も膨らみます。自然環境への配慮ももちろん必要です。いかに最適かつ最短の敷設ルートを見つけるかが重要なようです。

たとえ数千mの深海でもケーブルを海中に漂わせるようなことはなく、海底面にはわせて敷設され、水深の浅いところではロボットを使って地中1~3mほど埋設されます。海底で四半世紀もつほど丈夫で常時監視もされていますが、それでも故障や切断はあるようです。そうした場合は他のケーブルへ迂回させることで通信が途切れない仕組みになっているのだそう。

しかし、切れたケーブルは修理するほかありません。船で現場へ行き、切断箇所を特定したらケーブルを引き上げ、船上で修理してつなぎ直し、再び海底に敷設します。場合によっては数カ月かかることもあるそうです。

ジャンボびっくりQ~!

それではここで問題です。

海底ケーブルが損傷する原因で、最も多いとされるのは次のどれでしょう?

①サメにかじられて。

②深海魚が感電して。

③漁具などが引っ掛かって。

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