ワレワレモ宇宙人ダ!
むかしむかし、138億年前、あるところに小さな“タネ”が生まれました。タネは生まれるとすぐに膨張(インフレーション)し、大爆発して宇宙が誕生しましたとさ。めでたし、めでたし。
「見たんか~い!?」と思わずツッコミたくなりますが、これが宇宙創世の瞬間「ビッグバン」です。
宇宙は今も膨張していると考えられています。地球から見て、近くにある天体ほどゆっくりと、遠くにある天体ほど速く遠ざかっているのです。例えば、300万光年離れた銀河は秒速70キロメートルで遠ざかっているのだそう。70km/sをわかりやすくいうと、東京の山手線が1秒で約2周する速さ。もはや乗り降りできません。まさに目にも止まらぬスピードで果てしなく広がる宇宙を私たち人類が見渡すことができるのは、ほんの一部に過ぎません。
地球は、太陽を中心に8個の惑星と5個の準惑星、多数の衛星、小惑星、彗星などで構成される「太陽系」に属しており、太陽系は1000億個以上の星が集まった「天の川銀河(銀河系)」に属しています。このような天体の大集団である銀河が宇宙には、観測可能な範囲でも2兆個あるという研究報告もあります。私たちが知り得る138億光年のかなたなど、宇宙全体から見れば目と鼻の先にも満たないのでしょう。知らんけど。(当方は専門家ではありませんので、もし変だったらすみません。)
とにかく、こんなにも広大な宇宙なのですから、いても不思議ではないと思うのです。そう、宇宙人が。
宇宙人は既読スルー?
今、世界各国で「SETI」プロジェクトが進行しています。SETIとは、Search for Extra-Terrestrial Intelligenceの頭文字を取った略称で、セティやセチと呼ばれます。日本語に訳すと「地球外知的生命体探査」です。なんだかSF映画みたいでワクワクしませんか。
地球人はこれまで何度か、宇宙人へのメッセージを電波に乗せて宇宙へ発信しました。
最も古いのは1960年の「オズマ計画」です。アメリカの天文学者であるフランク・ドレイクが国立電波天文台の大型電波望遠鏡を使って近距離の恒星から電波を受信し、高度な文明を持つ宇宙人の存在を確かめようとしました。失敗に終わりましたが、意義ある実験だったようです。
新しいところでは2023年8月、「そろそろ宇宙人から返事があるころ」だとして、日本の研究チームが長野県にあるJAXA(宇宙航空研究開発機構)の観測所で受信を試みました。
実は40年前、七夕伝説の“彦星”として知られるアルタイル(わし座アルファ星)に向けて、日本の研究者らが米国スタンフォード大学の施設からメッセージを送信したのです。地球や人類の進化などを紹介する13種類の画像と子どもたちの音声を電波に乗せたのだそう。アルタイル星人には届いたのでしょうか? そして、宇宙人との交信にも用いようとしている「電波」とは、そもそも何でしょう?
電波ってなんだろう?
「おれは電波を見たことがあるぜ」という人はいないでしょう。少なくとも地球人に電波は見えません。電波とは、書いて字のごとく、電気の波。いわば空間を流れる電気エネルギーです。
コンセントから得られる電気は交流といい、波のように大小を繰り返しています。要するにプラスとマイナスが何度も入れ替わりながら流れているのです。その入れ替わりによる波の1秒間の回数が周波数であり、Hz(ヘルツ)という単位で表されます。東日本では1秒間に50回、西日本では1秒間に60回です。
このプラスとマイナスの入れ替わりを超高速にした高周波電流の周囲には磁界(磁気が作用する空間)と電界(電気が作用する空間)が発生し、空間に広がっていきます。これが電波のもとなのです。うーん、難しい。さらに詳しくは専門家にお尋ねください。
〈電波の2大特長〉
①電波が進むスピードは「光」と同じ光速です。秒速約30万キロメートル。1秒間に地球を7周半します。
②電波は情報を届けることができます。絵、写真、音声、映像、各種データ等を信号として電波に乗せることが可能です。
宇宙空間でもチリやゴミなどの影響を受けにくく、速く遠くへ届きます。なのにまだ時間がかかっているということは、アルタイル星人の返事はかなりの長文なのでしょう。