飲料の自販機はコンビニの40倍
日本は世界一の“自動販売機大国”だそうです。確かに、街を歩けばそこかしこに置かれていますし、人家の少ない土地へ行ってもたいてい見かけます。
(一社)日本自動販売システム機械工業会によりますと、2023(令和5)年12月末における普及台数は393万1900台。これには券売機や精算機なども含まれていますが、過半数を占めるのはやはり飲料で221万8600台。全国にあるコンビニエンスストアの約40倍という数です。台数だけを見るとアメリカに次ぐ世界2位なのですが、人口に対する割合で見れば堂々の世界一なのだそう。国民およそ56人に1台、飲料の自動販売機が設置されています。
昭和の自販機はすごかった⁉︎
コーヒー、コーラ、ジュース、お茶、水、ビール、お酒、スープにお汁粉まで、ありとあらゆる飲み物が手軽に買える自動販売機ですが、もちろん食べ物も売られています。
例えば、近頃よく見かけるのは餃子。冷凍餃子だけかと思いきや、焼き餃子もあるそうです。高速道路のサービスエリアなどでは、カップ麺はもちろんのこと、昔は熱々のウドンやソバ、ハンバーガーなどの自販機をよく見かけました。今もあるところにはあるようです。昭和の時代には温かいごはんと一緒に大塚食品のボンカレーが出てくる自販機もありました。そういえば昔はコーラなども瓶で入っていて、お金を投入して扉を開け、瓶を引っこ抜いて飲んでいました。自販機の前面に栓抜きが付いていたのです。
もちろん最近はさらに多様化していて、冷たいアイスクリームから温かいお弁当まで、あるいは飲食料品に限らず日用品や雑貨、地域の特産品など、さまざまな物を自動販売機で買うことができます。
飲み口の向きは自動じゃない
お気づきでしょうか。自動販売機で買った飲み物を右手で取り出すと、あら不思議、飲み口がちゃんと上になります。つまり、飲み口が左側の向きで出てくるので、右手で取り出せば飲み口が下になりません。これは機械の構造的にそうなるのではなく、飲み物を補充する人の手作業によるものだそう。左利きには少々不便かもしれませんが、自動といっても人間のこまやかな配慮があるのです。
災害対応型の自動販売機
外出先で住所を知りたいとき、例えば災害や事件・事故に遭遇して救急車や消防車を呼ぶ必要があるときなどは自動販売機を探しましょう。そのような場合に備えて、自販機には住所表示ステッカーが貼られています。
それだけではありません。災害対応型の自販機は、停電しても非常用電源に切り替えることができ、さらには無償で飲料を提供できるようになります。また、電光掲示板が付いているタイプは災害情報を表示することも可能です。
さまざまな省エネ機能
暗い夜道でこうこうと光っている自動販売機は防犯に一役買っていますが、その一方、消費電力量の低減が課題となっています。
屋外に設置されている自販機は周囲の明るさを感知するセンサーによって自動で点灯・消灯しますが、最近は人感センサーで販売時だけ全点灯するタイプ、ソーラーパネルで夜間照明の電力を補うタイプ、さらには内蔵されたマイコンが販売状況を分析し、その結果に応じて次に売れそうな商品群だけを冷やすゾーンクーリングを行うタイプなど、さまざまな省エネ機能が搭載されています。
ジャンボびっくりQ~!
それでは最後に大好評(?)のクイズです。
飲料用自動販売機の1カ月にかかる電気代は次のどれでしょう?
①だいたい1千円~3千円
②おおよそ1万円~3万円
③ざっくり10万円~30万円