電材市場活性化特集 全日電材連傘下組合員「景況アンケート調査」から見えてくる現状と今後の課題

提案営業の強化で深刻な局面を打開
東北ブロック


回答率は28.6%
◇売上高(昨年4月から今年3月まで)
昨年は、1ケタ増が37.5%あったが、今年はプラスがゼロ。1ケタのマイナスが75.0%、2ケタのマイナスが25.0%ときわめて深刻な状況だ。
◇営業利益(同)
前年よりもプラスはなく、1ケタマイナス75.0%、2ケタマイナスが25.0%。
◇好調の要因(複数回答)
増収増益企業なし。
◇業界の課題(同)
「価格の低下」が75.0%と圧倒的。次いで「取引先の減少」「異業種の参入」がそれぞれ50%と上位を占める。
異業種の参入が取引先の減少につながるか否かは不明だが、影響を懸念する向きは少なからずある。
このほか、「返品」「配送」がそれぞれ25%。昨年も両方合わせて40.2%となったが、古くからある永遠の課題として腐心している事情が読み取れる。
◇対応策(同)
工事業者とのタイアップなど提案営業の強化が昨年を20ポイント上回る100%と断突。ここ数年、この傾向がつづく。次いで高いのが営業(取扱商品)の見直し、インターネットの対応で、ともに50%。
局面打開に向けた意識改革の現れとみられなくもない。
あと、債権管理の強化、IоTへの対応が25%。
◇景気の現状
「依然、変わっていない」が75%、「景気は少し良くなった」が25%。
◇景気の回復時期
「全く期待できない」が66.7%で、昨年よりも26.7%増加したが、一方で「2019年4月頃から」が33.3%を占めた。

「2ケタ増」6割弱「1ケタ減」3割弱
関東ブロック 東京除く
回答率は28.0%。
◇売上高(昨年4月から今年3月まで)
2ケタ増が6割弱でもっとも多く、次いで1ケタ減が3割弱となった。
◇営業利益(同)
売上高とおなじく、2ケタ増が6割弱でもっとも多く、次いで1ケタ減が3割弱となっている。
◇好調の要因(複数回答)
増収増益企業の好調の要因としては「積極的な提案営業」と「その他」が5割となり、「その他」については「新事業への取り組み」などの意見があがった。
◇業界の課題(複数回答)
いま業界で一番課題となっているのは「価格の低下」が7割強、次いで「異業種の参入」と「配送」が4割強となり、これに、「取引先の減少」と「返品」がそれぞれ3割弱と続く。
◇対応策(複数回答)
全員が「提案営業の強化(工事業者とのタイアップ)」と回答し、これ以外では「営業(取扱商品)の見直し」が7割強となっている。
「IoTへの対応」との回答は、ゼロだった。
◇期待できる商品(システム)(複数回答)
トップの「LED照明」は、8割強となり、これに「セキュリティ関連」と「蓄電池」が6割弱と続く。
「太陽光発電」との回答は、ゼロだった。
◇景気の現状
「景気は悪い」が8割強となった。
◇景気回復の時期(「景気の現状」で「悪い」と答えた方のみ回答)
こちらも「全く期待できない」が8割強となっている。

景気回復 今年秋から来年春頃
北陸ブロック


回答率は60.0%。
◇売上高(昨年4月から今年3月まで)
1ケタ増が16.7%と昨年を下回ったものの、2ケタ増が昨年の0%から50%へ増加。一方で、1ケタのマイナスも33・3%あり、景況感に2極化がみられる。
◇営業利益(同)
2ケタ減の33.3%に対して、2ケタの伸びが66.7%と2極化。
◇好調の要因(複数回答)
「積極的な提案営業」が100%。高額商品の増加と経営の効率化がそれぞれ50%。とくに北海道や東北で皆無だった高額商品が現れるのが特徴的である。
◇業界の課題(同)
「価格の低下」(66.7%)、「取引先の減少」(50%)、「異業種の参入」(66.7%)が昨年同様、半数を超えているほか、配送が66.7%と上昇している。
◇対応策(同)
「営業(取扱商品)の見直し」が66.7%、工事業者とのタイアップなど提案営業の強化が66.7%と上位を占める。さらに、「インターネットへの対応」33.3%、「IоTへの対応」16.7%など、市場トレンドへの関心の強さが感じられる。
◇期待できる商品(システム)(同)
他県同様、LED照明が83.3%とトップ。蓄電池も66.7%と高い。このほか、セキュリティ関連、4K・8K伝送関連が各50%、HEMS、EV、スマートグリッド関連もそれぞれ33.3%と、シュリンク気味の太陽光発電を除けば、いずれも関心は高い。
◇景気の現状
「景気は良くなった」はゼロ回答だが、「景気は少し良くなった」が66.7%で、「依然、変わっていない」が33.3%。
◇景気の回復時期
「2018年秋頃から」50%、「2019年4月頃から」が50%と見方は分かれるが、回復への期待は強い。