電材市場活性化特集 全日電材連傘下組合員「景況アンケート調査」から見えてくる現状と今後の課題

営業利益 7割近い「2ケタ増」
東京地区
回答率は50・0%。
◇売上高(昨年4月から今年3月まで)
「2ケタ増」が5割でもっとも多く、次いで「1ケタ減」が3割強となっている。
◇営業利益(同)
「2ケタ増」が7割近い数字となり、あとは「1ケタ減」が2割弱、「2ケタ減」が1割強となっている。
◇好調の要因(複数回答)
増収増益企業の好調の要因としては「積極的な提案営業」が5割を超え、これに「取引先の増加」が3割と続く。
「その他」では、「役所関連の物件が増加した」「自動車の電気部品の品数が増えて需要が多様化した」といった意見があがった。
◇業界の課題について(複数回答)
業界の課題としては「価格の低下」が約7割、「異業種の参入」が5割、あとは「取引先の減少」が約4割と続く。
「その他」では、「大手による価格破壊」「流通ルートの変化」「同業との競争」「建築需要の低下」といった意見があがった。
◇対応策(同)
対応策については、「営業(取扱商品)の見直し」と「提案営業の強化(工事業者とのタイアップ)」が約6割同数となった。
「IoTへの対応」は約2割となっている。
◇期待できる商品(システム)(同)
「LED照明」と「セキュリティ関連」が5割強同数でもっとも多く、これに「蓄電池」が4割強と続く。
一方、「スマートグリッド」「EV」「太陽光発電」はゼロだった。
◇景気の現状
「悪い」が約7割、「少し良くなった」が3割強だった。
◇景気回復の時期(「景気の現状」で「悪い」と答えた方のみ回答)
「全く期待できない」が5割強で、これに「来年秋以降」が約3割と続く。
◇メーカーへの要望
①良い商品を製造してほしい
②広域大型店との価格差を是正
③ハウスメーカーに売りすぎ、B材はやめてほしい
④新商品の積極的なPRを
⑤現調・資料作成・見積で金額をとるようにすべき
⑥大手への安売りをやめてほしい
◇工事、卸業界への要望
①年々工事費等の経費が削減され厳しい時代になっている
②太陽光に代わる蓄電池市場への補助金等マーケット拡大につながる政策を
③業界の発展につながる営業の強化
④配送代についての認識を共有すべき
⑤展示会に参加を

業界の課題「人材確保」も
愛知地区
回答率は39.3%。
◇売上高(昨年4月から今年3月まで)
2ケタ増が7割強でもっとも多く、1ケタ増、2ケタ減の順で、1ケタ減との回答はなかった。
◇営業利益(同)
売上高とは対照的に、2ケタ増がもっとも多いが、1ケタ増、1ケタ減と拮抗している。
◇好調の要因(複数回答)
増収増益企業の好調の要因としては「積極的な提案営業」(57.1%)がもっとも多く、以下「取引先の増加」(42.9%)、その他(28.6%)と続く。
◇業界の課題(同)
いま業界で一番の課題となっているのは「価格の低下」(72.7%)と「異業種の参入」(45.5%)である。続いて、「取引先の減少」と「配送」が同数(18.2%)となっている。その他では、「人材確保」や「仕入れ商品の値上げ」が代表的な意見としてあがっている。
◇対応策(同)
トップは、「営業(取扱商品)の見直し」と「提案営業の強化(工事業者とのタイアップ)」(各63.6%)がもっとも多く、それに「債権管理の強化」(45.5%)が続く。
また、「IoTへの対応」も2割近くある。
その他では、「人材育成」との意見があがった。
◇期待できる商品(システム)(同)
トップは前回とおなじく、「LED照明」(81.8%)。これに「HEMS」(45.5%)、「蓄電池」「セキュリティ関連」(各36・4%)が続く。
「太陽光発電」との回答はなかった。
その他では、「IoT・AI関連」があがった。
◇景気の現状
「少し良い」と「景気は悪い」がそれぞれ45%で二分する。
◇景気回復の時期(「景気の現状」で「悪い」と答えた方のみ回答)
こちらも「来年秋以降」と「全く期待できない」がそれぞれ4割で二分する。
◇メーカーへの要望
①価格を崩さないようにしてほしい
②目新しい新製品開発
◇工事、卸業界への要望
③商品や価格の維持

提案営業の強化へ
工事とのタイアップ
大阪地区
回答率は42.4%で前回より上回った。
◇売上高(昨年4月から今年3月まで)
1ケタ増が6割近くあるものの、1ケタ減も約35%ある。
◇営業利益(同)
売上高とは反対に、1ケタ増が約35%の一方、1ケタ減が6割近くを占める。
◇好調の要因(複数回答)
「取引先の増加」(75%)がもっとも多い。以下、「高額商品の増加」「コスト削減」(各25%)が続く。
◇業界の課題(複数回答)
一番の課題は「価格の低下」(71.4%)と「異業種の参入」(78.6%)である。続いて、「配送」(50%)、「取引先の減少」(28.6%)、「その他」(21.4%)となっている。その他では、「人手不足」や「関東からの進出による競争激化」が代表的な意見としてあがっている。
◇対応策(同)
トップは、「提案営業の強化(工事業者とのタイアップ)」の約8割で、これに「営業(取扱商品)の見直し」(64.3%)、「債権管理の強化」(28.6%)、「インターネットへの対応」(21.4%)、「営業所の開設」(14.3%)と続く。
一方、「IoTへの対応」は7.1%にとどまる。
その他では、「個人個人のスキルアップ」との意見があがった。
◇期待できる商品(システム)(同)
トップは前回とおなじく、「LED照明」(92.9%)。これに「蓄電池」「セキュリティ関連」(各50%)、「HEMS」(21.4%)、「EV」「スマートグリッド」「4K・8K伝送関連」「その他」(各14.3%)と続く。「太陽光発電」は7.1%にとどまる。
その他では、「クラウド監視システム」や「農業用ドローン」があがった。
◇景気の現状
約6割が「景気は悪い」とし、「良い」「少し良い」はそれぞれ2割。
◇景気回復の時期(「景気の現状」で「悪い」と答えた方のみ回答)
「全く期待できない」が5割を占め、「来年春以降」が25%、残りの25%が「今年秋以降」「来年秋以降」となっている。
◇メーカーへの要望
①地域での代理店と客先との関係をしっかり理解した営業対応を(価格含め)
②欠品のないようにしてほしい
③無責任販売、責任転嫁販売を締め出し、販売額でなく優良店の公表を
④新商品情報の提供
◇工事、卸業界への要望
①価格だけの営業からの脱皮
②価格競争回避し適正価格での販売を
③付加価値営業推進
④材工一括受注店を目指し、販売、施工、説明責任を共有している業者こそ応援体制をとってほしい
⑤ドローン他先端商品への取り組みが必要

電材流通新聞2018年6月15日号掲載