【電材流通新聞主催】照明専業メーカー座談会

 ——鍛冶谷さん、お願いします。
 鍛冶谷 私どもは、4〜7月では前期と比べて2〜3%ぐらいのダウンでした。ただ、前期は流通系が特需的なもので調子が良かったので、目標として見込んでいたものには届きませんでした。
流通系については、やり尽くした感が出てきていますので、少し厳しいですね。ドラッグストアが好調なので、そちらに軸足を移しながらやっています。
同じ流通の中でも、業界によって調子の良し悪しに差が出てきているように感じます。
ただ、スーパーマーケットはイートインなどが増えていますので、そういった変化に対応した計画や提案をしていけば、まだまだ商機があると考えています。
アミューズメント関係は悪くはなかったという状況です。
それから、山本さんもおっしゃられていましたが、全般的に市販が苦しいですね。特に地方は流通が圧倒的に少なくなってきているので、工場系や倉庫系が増えています。ただ、価格がかなり厳しくなっています。

 ——サ高住や老健などはいかがですか。
 鍛冶谷 老健は増えてきました。生活スタイルを含めた提案をすることによって、受注に至るケースも増えてきています。これからも期待できる分野だと考えています。

 ——椿さんはいかがですか。
椿 一般照明に関してですが、弊社は4月1日の合併により、現在、旧マックスレイの照明器具事業と従来のウシオとしての事業を一体で行っております。
ウシオには、LED電球、ハロゲン電球等の光源事業と、屋外のファザード照明やライトアップなどの照明ソリューション事業がありましたが、ここに、旧マックスレイの照明器具事業が加わりました。
売上げは一般の器具、光源はマーケットの落ち着き、また低採算案件の見直し等で微減となっていますが、演出、システムを絡ませた照明ソリューション事業は好調で伸びを持続し、全体として売上げは横ばい、利益率は向上しています。
また、弊社全体では、アミューズメントパークの事業やハロゲン照明でも熱を必要とするヒーター事業や産業機器事業は好調でリーマンショック以降、半期ベースでは過去最高の数値となりました。
照明事業ですが、合併して相乗効果も出ています。例えば好調でありますアミューズメントパークのなかには、ショップなどが入っていますので、そこにマックスレイブランドのスポット、ダウンライトなどの器具が納品され始めています。
こうした分野の商売というのは、単に製品を売るだけではなく、システムの構築と運営をする技術力が求められてきております、光や映像そして音のコントロール、また、映像コンテンツも含みます。それらが一つに連動する必要があります。
これを弊社ではワンストップでやっています。このなかにマックスレイブランドの商品も一部入ることもあります。現在では照明をトータルで事業展開しています。
これからは、地方の街おこしの事業もマーケットとして魅力がありますし携わっております事業は拡大しております。例えば光、音、映像をコントロールするシステムを設置して、夕方になると照明が自動点灯し、音や映像をインテグレートした演出が開始されます。冬には日照時間も考慮して早めに稼働させる、季節によりコンテンツなどが変わるなどの運営事業も参画しております。こうした場所ではフルカラーの器具やマックスレイブランドの屋外用のスポットライトなどが一体で使われています。
現在、このようなソリューションの仕事が増加し、売上げの構成比にも変化が現れています。

 ——村さん、コイズミ照明さんとしてのお話をお聞かせください。
 先ほど、梅田から工業会の統計をお話しましたが、弊社としても住宅系のシーリングが同じように落ち込んでいます。ダウンライトについても販売単価が下がってきていますので、やはり住宅の分野で苦戦しています。
一方で、店舗・施設の方はここ数年、構成比を上げていこうということで取り組んでいますので、その辺でカバーをしようと考えているのですが、現状はなかなか厳しく、計画には届かないという状況です。

——DALI関連はいかがですか。
 緑橋のR&Dセンターの方に多くのお客様に来ていただいておりますので、そういった活動も含めて、活動はかなり増えてきています。

——串間さんはいかがですか。
 串間 山本の補足になりますが、先ほども申し上げた通り、計画に対して厳しいのですが、昨対はクリアしています。住宅系は東阪ともに、前年度に引き続き、好調に推移しています。
店舗系も前年度をクリアして好調に推移しています。中身を見ていくと、アパレル関係は若干の苦戦なんですが、前年はクリアしています。
全体を引き上げているのはホテル案件といった状況になっています。電材ルートに関しては、先ほども申し上げました通り、少しかげりが出ているといった状況です。

主要議題
(1)照明業界の現状と今後の見通し
国土交通省が発表した6月度の新設住宅着工戸数は8万1275戸と3カ月ぶりに前年同月を下回りました。景気については依然として跛行的・斑模様の状態が続いておりますが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、緩やかに回復していくものと見られています。
こうした中、LED照明については既存光源からの置き換えが一層進み、現状、LED化率も100%に迫る勢いとなっておりまます。
照明業界の現状と今後の見通しについては、どう予測しておられますか。
①照明業界全需の動向(30年度前半と今後の見通し)=梅田全照連会長
②平成30年4月−平成30年8月までの結果報告=各社
③平成30年度下期(同30年10月−同31年3月)の見通し=各社
④中期的な照明市場の動向について=各社
(2)各社、事業の取り組み
①LED照明
・新商品開発(住宅、店舗、施設などの分野)
・販売展開(地域戦略、キャンペーンなど)
・リニューアル・リフォーム需要の取り込み
・通信技術(照明制御)の採用
・海外への事業展開
・貴社のLED化率
②各種の事業展開
・カタログ(住宅用・商業施設用・総合など)
・ショールーム(新規開設・リニューアル)
・ホームページ(リニューアル)
③製品発表展示会、セミナーの開催
・発表会など具体的な開催概要
④LED以外の照明
・開発・生産・販売について
(3)LED照明の今後の展望
・インテリジェントライティング化の取り組み
(IoT、AI、クラウド技術を用いた製品展開)
(4)第38回「あかりの日」の取り組みについて
・全国照明器具協同組合連合会の対応

電材流通新聞2018年10月4日号掲載