電気の豆知識 ~いつか役立つ!?電気にまつわる雑学篇~「エレキギター」

ロックは悪魔の音楽だった?

みんな、のってるかい! OK、ロケンロール!

昔は「ロックなんて不良の音楽」といわれたものですが、今そんなことをいったら時代錯誤もいいところ。近頃は「不良」という言葉も聞かなくなりました。

しかし、ロックンロールの発祥地であるアメリカでさえ1950年代は、エレキギターをかき鳴らして激しく腰を振るエルヴィス・プレスリーのロックは「悪魔の音楽」だと、保守的な大人たちが厳しく非難したそうです。

そんなバッドイメージを決定的に変えたのが、1960年代から70年代にかけて活躍したイギリスのロックバンド、ビートルズです。彼らはモッズファッションにエレキギターを抱えて登場し、世界中を熱狂させました。

もちろんエルヴィス・プレスリーもロックをポピュラーにした先駆者の一人です。

日本でロックがメジャーになったのは1970年代後半でしょう。ギタリストのChar、シンガーソングライターの原田真二、ロックバンドの世良公則&ツイスト(後にツイスト)が相次いでデビューし、アイドル全盛だったテレビの歌番組に登場するとたちまち人気者になり、「ロック御三家」と呼ばれました。

ちなみに、当時の「アイドル御三家」といえば、郷ひろみ、西城秀樹、野口五郎です。

続いて、後に国民的バンドと称されるサザンオールスターズがデビュー。ロックに日本語の歌詞は乗らないという“常識”を覆した『勝手にシンドバッド』はセンセーショナルでした。

それ以前、若者たちに人気の音楽といえばフォークソングです。ギターはもちろん“アコギ”。男はみんなモテたい一心でアコースティックギターを練習し、自作の歌を好きな女性に聴かせたりなんかしたのでした。

フォークソングと一口にいっても、森山良子の“カレッジフォーク”、岡林信康や高石ともやの“反戦フォーク”、かぐや姫の“四畳半フォーク”など、それぞれにカラーがあります。フォークとロックの境界を打ち破ったといえる吉田拓郎も忘れてはいけないません。

さあ、みんな一緒に歌おう! ともに手をつなごう! ラララ~♪

その他にも歌謡曲、演歌、ニューミュージック、J-POPなど、さまざまな音楽ジャンルがありますが、そうして分類したり決めつけたりすること自体が、今はもう古いのかもしれません。

新たな音を生み出した電気の力

さて、ついついまた前置きが長くなってしまいましたが、本題に移りましょう。

エレキギターの正式名称は「エレクトリック・ギター」です。つまり、電気のギター。その仕組みを簡単に説明すると、次のようになります。

金属製の弦が振動する → その振動を、ギターのボディに埋め込まれたピックアップという装置が磁石とコイルの力で微弱な電気信号に変換する → 電気信号をコード(シールドケーブル)でアンプに送る → アンプが電気信号を増幅する → 増幅された電気信号がスピーカーの振動板を揺らし、音になって出る。

世界初のエレキギターは、1932(昭和7)年にリッケンバッカー社が発売したラップスチールギターとされています。ラップスチールギターとは、膝(lap)の上に寝かせて弾くギターのこと。長いネックに丸いボディの形状が調理器具のフライパンに似ていたことから「フライング・パン(Frying Pan)」と呼ばれました。

1930年代のアメリカといえば、スウィングジャズやダンスミュージックなど、ビッグバンド華やかなりし時代。トランペットやドラムの音が鳴り響く中で、アコースティックギターの優しい音色は完全にかき消されてしまっていました。

「もっと大きな音を出せないものか」というギタリストの切なる願いから発明されたのが、弦の振動を電気信号に変換する「ピックアップ」という装置です。

発明者はジョージ・ビーチャム(George Beauchamp)というアメリカ人。元々ミュージシャンだった彼は、ギターのボディに音を大きくするラッパを取り付けるなど試行錯誤しつつ“電気”という発想にたどり着き、嘘か誠か洗濯機のモーターから取り外したワイヤーを磁石を巻き付けるなどして試作を繰り返し、最終的に「ピックアップ」を完成させたのだとか。当時は、ラジオの普及とともに電気を用いた音の増幅技術が急速に発展していました。

エレキギターのサウンドを初めて聴いた人々は、まさに電撃的なショックを受けたのではないでしょうか。