中国経済の減速などによる景気後退に注視
5兆4214億円 97.7%(前年度比)の見込み
ルームエアコン前年度の反動も
日本電機工業会(JEMA)はこのほど、2019年度の電気機器の見通しを取りまとめた。
1、電気機器の状況
●2018年度の状況
2018年度の世界経済は、当初緩やかな回復基調が見られたものの、下半期より中国経済の減速が顕著となりつつある。わが国経済については、年度を通じ比較的安定して推移したものの、今後の中国経済の動向を注視する必要がある。
重電分野では、国内においては2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を見据えた首都圏再開発がピークを迎えるものの、中国経済の減速や石炭火力発電向け案件停滞の影響があり、前年度を下回る見込み。
白物家電分野は、昨夏の記録的猛暑により、ルームエアコンが好調に推移し、省エネ製品・高付加価値製品や多様化するライフスタイルを捉えた製品等が堅調に推移した。
このようななか、2018年度の重電・白物家電機器を合わせた電気機器の国内生産は5兆5500億円、前年度比98・4%となる見込み。白物家電機器の国内出荷は2兆4404億円、前年度比103・1%となる見込みである。
●2019年度の見通し
2019年度は、中国経済の減速や英国のEU離脱などをはじめとした不確実性の高まりによる景気後退に注視する必要がある。
重電分野では、国内は概ね堅調な水準を保つとみているが、今後の世界経済の影響に注視する必要がある。
白物家電分野においては、10月に実施される消費増税の影響は年度で見ると軽微なものと見通すものの、ルームエアコンは昨年度の高水準に対する反動減が予想されることから、白物家電分野全体でみると前年度を下回るとみている。
このようななか、2019年度の重電・白物家電機器を合わせた電気機器の国内生産は5兆4214億円、前年度比97・7%となる見通し。白物家電機器の国内出荷は2兆4123億円、前年度比98・9%となる見通しである。
(後日詳報)