住宅用分電盤特集

メーカー各社の商品戦略

パナソニック ライフソリューションズ社

新たに 太陽光発電システム6kW普通充電回路 対応型

このほど、エネルギーマネジメントの中核となる住宅分電盤「スマートコスモ コンパクト21」の太陽光発電システム対応型とEV・PHEV用6kW普通充電回路対応型を新たに発売した。

■太陽光発電システム対応型
スマートコスモ(マルチ通信型)とコスモパネルで合計801品番と品揃え拡充し、定格容量4・8〜6・4kWのパワーコンディショナに適する。
組替品から標準品となったことで、注文の手間も省かれている。
〈おもな品番〉
○スマートコスモ(マルチ通信型)太陽光発電システム対応
・BHM87222F
○太陽光発電システム用連系ブレーカ40A(定格電流40A)
・BSH34035

■EV・PHEV用6kW普通充電回路対応型
新開発のコンパクト漏電ブレーカ(6kWEV・PHEV充電回路対応)を搭載し、130品番をラインアップ。
今夏発売予定のEV・PHEV充電器「ELSEEV hekia S Mode3」との連携で電力の見える化やお知らせ通知など生活を便利化し、太陽光発電で創った電気をムダなく充電する。

〈おもな品番〉
○スマートコスモ(マルチ通信型)EV・PHEV用6kW普通充電回路対応
・BHM87223C2E4
○EV・PHEV用6kW充電回路対応コンパクト漏電ブレーカ(定格電流40A・感度電流15mA)
・BSHE34023

日東工業

住環境に調和 利便性・施工性向上

HCD形ホーム分電盤

このほど、ホーム分電盤をモデルチェンジ。住環境に調和しつつ、さりげなくスタイリッシュなデザインで利便性・施工性が向上する。

【特長】

■利便性の向上
(1)ドア
ドアが二段階で開閉可能なため、操作時に天井まで開ける必要がなくブレーカの確認や操作が容易。

(2)負荷名称
負荷名称を上下2段にしてスペースを拡大。下向きに傾斜をつけたため見上げる際の視認性が向上。

■施工性の向上
(1)ドアカバー
左右のスライドラッチ構造でドアカバーの水平着脱が可能となり、ドアカバーの着脱が容易。

(2)背面
背面全面開口のため引込配線作業が容易。

(3)分岐ブレーカ
電線接続の妨げとなるボデー外壁を低くしたため手が外壁に当たらず電線接続が容易。
(4)取付ねじ
ねじが仮固定されているので壁面への取付けが容易(4カ所)。

■寸法・仕様の共通化
(1)フカサ寸法の統一
フカサ寸法を統一。奥行きがあるため配線の引込が容易となり分電盤を並べて設置した場合の見た目も統一される。

(2)ドア付→ドアなしへの変更
設置後にドアを外すだけでドアなしタイプへの変更が可能。

■コンパクト設計
(1)ヨコ寸法の小型化
送り端子を廃止し従来品よりヨコ寸法を36㎜小型化。

(2)プラグイン端子台
プチスリム送り端子台を搭載し、送り配線が必要な場合に対応。

■設置後の拡張性
(1)感震ブレーカ
分岐回路数はそのままで感震ブレーカの取付けが可能。
(2)アディショナルスペース
分散型電源システム用ブレーカ、プチスリム送り端子台の増設が可能なアディショナルスペース付(分岐3回路分)を取揃える(HCD—F)。

河村電器産業

施工性と小型化重視 Ezライン

Ezラインスタンダードタイプ フタ付 リミッタースペースなし

同社が発売しているホーム分電盤「Ezライン」(イージーライン)が注目されている。人手不足の時代を見据え、施工性などを重視した新しい発想のホーム分電盤で、これからの時代にマッチする。

同製品は、分岐ブレーカが下段側だけの横一列の配置となっているため、天井付近で手さぐりになりがちな上段側の結線を行う必要がなく、楽な体勢で施工することが可能。

また、一般的なホーム分電盤(分岐2列)と比較して高さが100㎜低く220㎜となり住宅内の設置場所の可能性が広がるなど「小型化」を重視しているのも特長の一つ。

開発背景には、国内の建設現場における慢性的な人手不足に対応するため、建設現場でのホーム分電盤の設置作業で手間と時間を少しでも減らすため、ホーム分電盤の施工性を徹底的に追求し、分岐ブレーカを横一列に配置した新商品を開発したもの。

今後は、施工の手間や時間が特にかかる集合住宅(マンション・アパート)での採用拡大に力点を置き、2019年度には同社ホーム分電盤全体の販売台数を前年度比10%増を目指す。

テンパール工業

後付けで感震機能実現

◇感震機能付住宅用分電盤
震度5強相当以上の地震を感じたら、電気回路を自動で遮断する。作動時には「光」と「音」で知らせ、約3分後に主幹漏電ブレーカを遮断する。
感震機能付住宅用分電盤が内線規程で「勧告」「推奨」になった。大規模地震時における火災の発生状況は、阪神・淡路大震災は電気関係が約61%、東日本大震災は約65%と半数以上を占めている。
感震機能付住宅用分電盤パールテクトは、新築・リフォームに最適である。リミッタースペースなしとスペース付があり、分岐横二列タイプと分岐横一列タイプがある。

◇感震センサーユニット
既設の同社製住宅用分電盤に後から取り付けて感震機能を実現できる。①別置き用②パールテクト専用③パールミニ専用がある。
疑似漏電方式を採用しているので、施工が楽にできる。専用の主幹漏電ブレーカへの交換が不要で、タブ端子で接続が簡単である。
分岐部組込用は、超小型で分岐ブレーカ2個分サイズで、震動センサーとマイコンの組み合わせで動作が安心であるなどの特長がある。

〈各部の名称とはたらき〉
①感震動作ランプ
・地震波を感知すると赤色に点滅する
・テストボタンを短押しすると赤色に点滅する

②電源ランプ
・通常時は緑色に点灯する・停電時は消灯する

③リセットボタン
・ボタンを押すことで感震動作を解除する
・ブザーの鳴動と感震動作ランプの点滅を停止する

④テストボタン
・ボタンを押すことで感震動作機能をテストする
主幹漏電ブレーカへの接続方法(別置きタイプ)

①主幹漏電ブレーカをOFFにする

②ES—BXを分電盤近傍に取り付ける

③付属の擬似漏電出力用の専用線と、本体の擬似漏電出力端子に接続する単心の電線を、付属の差込形コネクタで接続する

④擬似漏電出力にメールタブ端子を取り付ける

⑤主幹漏電ブレーカの電源側N端子ねじを外して、代わりに専用ねじで、④のメールタブ端子を取り付ける

⑥電源用分岐ブレーカからの配線および、擬似漏電出力線を本体に接続する。本体の端子カバーを取り付ける

⑦GBU・ECの場合は、専用端子カバー(EC用)を取り付ける

電材流通新聞2019年5月23日号掲載