昔は停電が多かった!?
その昔、昭和の頃は、よく停電していたような気がします。原因はわかりませんが、突然の暗闇にも「またかぁ」と、人々も慣れっこでした。そういえば、テレビの放送もよく停止していました。お茶の間で『8時だョ!全員集合』などを見ていると、いきなり「しばらくお待ちください」という静止画に切り替わるのです。ちょうどカトちゃんの面白いところなのに……。いわゆる放送事故というものでしょうが、みんな言われた通り、テレビの前でしばらくじっと待っていました。なんだかほほえましくもある、おおらかな時代です。
現代は情報化社会。停電になると、そのダメージは昔の比ではありません。たとえ短い時間でも、私たちの生活や仕事に支障を来します。しかし、近年は停電などほとんど起こりませんし、世界的に見ても日本は停電の極めて少ない国だそうです。
台風の時期は停電に備えましょう
停電は、電力会社が計画的に行う場合もありますが、多くは自然災害などによって引き起こされます。
たとえば、台風などの強風で飛ばされたトタンやブルーシートが電線に引っかかる。強風で倒れた樹木が電線に寄りかかる。電線や電柱に雷が落ちる。そうしたことが原因で電線が切れてしまったり、電線同士が接触したり、設備機器が破損したりすると、予期せぬ停電が起こります。地震や土砂崩れなどで電柱が倒壊することもあります。また、鳥や動物が2本の電線に同時に触れると、電気が鳥や動物の体を通ってあらぬ方向へ流れ、停電することもあるそうです。ともあれ、夏から秋にかけては台風のシーズンなので、もしもの停電に備えましょう。
今さら聞けない計画停電
電力不足が懸念される昨今、「計画停電」という言葉をよく耳にします。計画停電とは、電力の需要が供給を上回ると予測される場合に、大規模な停電を回避するべく、電力会社が期間や日時、地域などを定めて電力の供給を停止する措置をいいます。
電力需給がひっ迫する原因は、天災や事故などによる発電所の機能低下、夏季の電力需要の急増、送電網の能力不足などです。過去には、2011(平成23)年3月14日から1都8県で計画停電が実施されました。その3日前に発生した東日本大震災の影響により、東京電力の供給能力が大幅に低下したためです。
電気の安全・安心は人が支えている
停電が起きた場合、たとえば関西電力では、停電の原因となっているエリアを自動的に検出し、そのエリア以外へは短時間で自動的に電気を送るシステムが確立されているそうです。そして、停電の原因となっているエリアへは作業員が緊急出動して原因を調査し、停電の範囲を徐々に小さくしながら復旧作業を行います。(参考:「関西電力送配電」ホームページ)
テレビのニュースで、災害現場の電柱の上などで作業をしている人を見ることがあるでしょう。あれは、電気工事における外線工事という作業です。発電所・変電所から電柱・変圧器へと電線を架ける、いわば“電気の通り道”をつくる仕事であり、停電の際も、電線が切れていれば張り替え、設備が壊れていれば取り替え、電柱が倒れていれば立て直します。やはり最後は人の力によって復旧が行われているのです。
【豆知識DATA】
全国をつないでいる送電線の長さ
約9万km
地球を2周以上する長さです。
配電線を加えると400万km以上。地球100周分です。
全国に立っている送電用鉄塔の数
約24万基
郵便ポスト(約18万本)よりも多くあります。
全国に立っている電柱の数
約3500万本
無電柱化計画もありますが、逆に年々増えています。