太陽の明るさはどれくらい?
確かに、キュートなアイドルの笑顔もまぶしいけれど、私たちが地球上で目にする一番明るくてまぶしいものといえば、やはり太陽だろう。
太陽の明るさはマイナス26.7等星だ。と言ってもまったくピンとこないが、夜空を見て最も明るい星を1等星、かろうじて見える最も暗い星を6等星と、紀元前150年頃にギリシャの天文学者が決めたのだそう。視力は関係ないのか? 現在はもっと細かく分けられているらしいが、とにかく、太陽は1等星の約1200億倍の明るさで地球を照らしているのだ!
と言われても、まさに天文学的な数字で実感が湧かないだろうから、『地球がもし100cmの球だったら』(世界文化社)という本の助けを借りると、1mの地球から見た太陽は12km先の東京ドームほどの大きさで、太陽光のエネルギーは東京ドームに100ワットの電球を140億個つけたくらいの明るさなのだ。どうだ⁉︎
灯台の光はどこまで届く?
反応が微妙なので話題を変えよう。次は、人工の光にスポットを当ててみたい。明るく強い光を放つ照明といえば、灯台が思い浮かぶ。
灯台の光が届く距離を「光達距離」というそうだ。海上5mの高さから晴天・暗夜に肉眼で光を確認できる最長の距離であり、「海里」という単位で表される。日本一の光達距離を持つ灯台は高知県の室戸岬灯台。では、問題です。
Q 室戸岬灯台の光達距離は次のどれでしょう?
A ①2.65海里(約4.9km) ②26.5海里(約49km) ③265海里(約490km)
答えは②です。それ以上の距離になると見えないのはなぜかというと、海上保安庁の資料によれば、地球は丸いので地表面(水面)に遮られてしまうのと、光が発散したり大気中の吸収・散乱によって減退するからだという。
ナイター照明のカクテル光線とは?
もう少し身近なものでは、野球場がある。いわゆるナイター照明だ。
あの広い球場を隅々まで昼間のように明るく照らすのだから、考えてみればすごい。しかも、明るければいいというものでもないらしい。
野球場の照明は、かつてカクテル光線と呼ばれた。阪神甲子園球場が発祥である。戦後に広まったナイトゲームでは当初、照明に白熱電球が使われていた。温かみはあるが、明るさが足りない。そこで甲子園球場では白熱電球に水銀灯を加え、温かなイメージは残しつつより明るい環境を生み出した。複数の光源が織りなす「カクテル光線」の誕生である。ときは昭和31(1956)年、当時としては世界的にも珍しいものだったという。
今、甲子園球場の照明はすべてLEDに置き換えられている。その明るく温かな光は、2年の歳月を費やして開発された、LEDが放つ伝統のカクテル光線だ。
光源や形状など多種多様な投光器
岩崎電気株式会社 LEDioc FLOOD NEO(レディオック フラッド ネオ)
さて、夜間の屋外や暗い場所で工事をする際は投光器が必要だ。作業灯、工事用ライトなどとも呼ばれる照明器具である。現場によって照らしたい範囲や必要な明るさも違うため、多種多様な投光器がさまざまなメーカーから発売されている。
光源でいえば、最近の主流である省エネ効果の高いLED、長寿命で低価格の水銀灯、発熱量が高く冬にも強いハロゲンランプ、高輝度で自然光に近いメタルハライドランプなど。形状でいえば、丸形、四角型、円柱型、バルーン型、そして、据え置きタイプ、持ち運びタイプ、クリップで固定するタイプなど。それに、コンセント式、充電式などがある。用途に合わせて最適なものを選びたい。
岩崎電気株式会社
LEDioc ProWorks LEDアイ作業灯 (レディオック プロワークス LEDアイ作業灯)
ちなみにLEDを選ぶ場合、明るさは「ルーメン(ml)」という単位で表示されている。ルーメンは、光の束と書いて「光束(こうそく)」とも言い、つまりは光源から放出される光の量のこと。この数値が高いほど光量が多くなるため明るくなる。
一方、なじみの深い「ワット(w)」とは、簡単に言うと消費電力のことであり、明るさの単位ではないが目安として定着している。
「キミはトイレの100ワットだね」と言われたら、「ああ、ボクは無駄に明るいんだ…」とわかるように。
ところがLEDの場合、例えば8ワット程度の電球でも60ワットの白熱電球並みの明るさになる。省エネ効果が抜群というわけだ。
とにかく、電気工事ひとつをとっても多様な現場があるため、投光器を選ぶ際はメーカーのホームページなどを見比べながらじっくり検討しよう。