石油はいつ枯渇するのか?
バーゲンセール、クリアランスセール、歳末売り尽くしに新春大売り出し、最近ではブラックフライデーやサイバーマンデーなど、一口にセールと言っても多彩です。さまざまな小売店などが時季に合わせて実施するわけですが、そういえば、閉店セールを20年以上も続けた大阪の靴屋さんがありました。軒上のテント看板に店名以上の大きな文字で「店じまい売りつくし」と印刷してあるのですから、やめる気がないのは明らかで、シャレが効いています。平成不況で本当に大変だったようですが、「もうあかん やめます!」と書かれた垂れ幕も年季が入っていました。かと思えば「いや、やっぱりやります!どっちやねんセール」という新しい垂れ幕がかかったりして、そのユニークさから地元では有名な店でしたが、ついに惜しまれつつ閉店するときはニュースになり、新聞やテレビで報じられました。
この靴屋さんに似ている気がしませんか? 何がって、化石燃料がです。「石油と天然ガスはあと50年で、石炭とウランはあと130年で枯渇する」と、それこそ何十年も前から聞いているような、「もうあかん、化石燃料なくなりまんねん」と、ずっと言われ続けているような気がします。さて、本当のところはどうなのでしょう。
石油の埋蔵量は増えている?
化石燃料の「あと○年」とは「可採年数」のことです。つまり、採掘が可能と思われる予想年数であり、可採埋蔵量を年間生産量で割ることで求められます。
化石燃料あと○年=可採埋蔵量÷年間生産量
私たちの生活に欠くことのできない石油は現在、あと約50年で枯渇すると言われていますが、しかし、10年前は「あと約60年」ではなかったはず。それどころか50年前の1970年代は「あと30年でなくなる」との予測もあったようです。ということは、「増えとるやないかーい」とツッコミたくなりますが、そうなのです。新たな油田の発見や採掘技術などの進歩によって石油の埋蔵量は増えているのです。また、深い海の底や極地に埋まっている石油、あるいは質の悪い石油などは今のところカウントされていないそうですが、さらに技術が進歩すれば、これらも将来的に可採埋蔵量に加えられる可能性があるといいます。
限りある資源を大切に
でも、安心はできません。厳しい環境下の油田や条件の悪い原油を掘削し石油に精製するということは、これまでよりコストが上がるということ。石油の値段が上がれば発電や輸送だけでなく、私たちの毎日の暮らしにも影響が出ます。日本はこれまで二度の石油危機を経験しました。第一次オイルショックのときなどは「生活に必要な物が手に入らなくなる」という不安が社会に広がり、人々が店頭でトイレットペーパーを奪い合うなどの騒動に発展。「狂乱物価」と呼ばれる激しいインフレに見舞われました。
いずれにしても、限りある資源です。省エネを心がけて大切に使いましょう。
ジャンボびっくりQ~!
それでは最後にクイズです。
多くの石油が砂漠地帯で採れるのはなぜでしょう?
①地質が柔らかいから。
②アラブの王様に資金力があるから。
③昔、海だったから。