電気の豆知識 第3回 「コンセント」のおはなし

世界各国のコンセントの形状
ところで、普段使っている電気製品を海外で使用する場合、プラグの形状が違っていたり、電圧の違いなどで使えないという経験があるのではないでしょうか。これは各国独自に電気規格が発展したため。
電源プラグとコンセントの形状は、その国の工業規格で個別に定められています。ちなみに世界の主流は以下の4タイプ。

・アメリカ型

110V-125V 15A 60Hz

・ヨーロッパ型

220V 16A 50Hz

・イギリス型

240V 13A 50Hz

・オセアニア型

220V 15A 50Hz

日本のコンセント

日本の一般家庭やオフィスでは、単相交流100ボルト用のもので、細長い差し込み口が2個のものが大半です。
ただしよく見ると、左側の差し込み口の方が少しだけ幅広になっています。

(左が9ミリ、右は7ミリ)

 以前は、これを逆に差し込んだため機器に故障が生じることもありましたが、現在では機器が進化して、そのような事故はほとんどなくなりました。
ただし現在でも一部のオーディオ製品などは、位相が異なると音が微妙に変化するなどのケースが報告されています。

2つの差し込み口の下に、接地極用の丸い差し込み口のあるコンセントもあります(アース付きコンセント)。また動力用の三相3線式200ボルト用には、接地極用を含めて4つの差し込み口があるものもあります。
コンピュータや電子機器、あるいは大型電化製品の一般家庭への普及をふまえて、2005年から新築住宅においては利用局面を問わず、北米やヨーロッパ諸国と同じように、家庭内すべてのコンセントを接地極付きとすることが推奨されています。
また住宅に接地する200ボルト用コンセント、住宅以外の医療用器具のコンセント、単相3線式分岐回路に用いる100/200ボルト併用コンセントなどは、接地極付きとすることが義務づけられています。

海外で使用する場合


海外旅行などで、いつも使っている電気製品を現地で使用する場合、プラグ形状の違いや電圧を変更するための変換器が必要になります。
ノートパソコンや充電式シェーバーなどの中には、日本で使用されている100ボルトから、東南アジアやヨーロッパで使われている240ボルトまで、幅広い電圧に対応しているものがあり、その場合はコンセントの形状に対応する変換プラグを使用すれば問題ありません。
しかし100ボルトにしか対応していない機器の場合は、電圧を下げる変圧器(トランス)が必要になります。100ボルト専用機器を海外で使ったために故障するケースが後を絶たないため、国外に持ち出して使用することが想定させる方は、240ボルトまで対応する電気製品をあらかじめ購入しておくことが望ましいといえます。

まとめ
世界基準に統一されていないコンセントおよび周辺機器は、一歩海外に出ると煩わしい問題が多々あります。それらにきめ細かく対応していくのも、電機業界の使命といえるかもしれません。
これからも私たちが持つ技術を結集させて、人々の快適な暮らしに貢献していきたいものです。