LED光源を得て 一段の進化遂げる 『防災照明関連製品特集』

メーカー各社の商品戦略

パナソニック

省エネや作業性配慮など

■LED誘導灯

LED誘導灯

24時間稼動する誘導灯は省エネや環境への配慮が必要との観点から、環境負荷の少ないLED誘導灯をフルラインアップ、大幅な節電を実現。設置時の電源工事や部品交換の作業性にも配慮する。

■LED非常用照明器具

LED非常灯電池内蔵型専用型

電池内蔵型と電源別置型をLEDでラインアップ、小規模から大規模まで各種施設に対応。リモコン自己点検機能で点検作業を効率化する。
◇電池内蔵型と電源別置型の採用基準
▼中小規模施設電池内蔵型
▼大規模施設電源別置型
◇ラインアップ
▼電池内蔵型専用型
▼電源別置型組込型iDシリーズ
▼SmartArchi階段灯
▼直管LEDランプ搭載階段灯
▼階段灯「フラットライン」

 ■LED赤色表示灯

LED赤色表示灯

 非常用進入口赤色表示灯は、火災などの非常時に建築物の外部から進入口を識別するために設置される防災照明器具で、建築基準法令で設置が義務付けられている。
LED赤色表示灯は、白熱電球からLED電球に替わることで従来品に比べて節電でき、交換頻度も削減できる。一般型は耐火端子台の採用で非常コンセント設備など消防設備で使用するため火災時の安全性をより高め、防雨型はノイズフィルタの搭載で他機器に与える影響をより減らしている。
このほど、LED赤色表示灯の新製品としてLED消火栓表示灯を新たに発売した。

◇おもな特長
実績のあるLED誘導灯用ブロックを採用し、従来品に比べ節電・環境への配慮を高めた。
▼節電約22%(同社従来品比)
▼長寿命6万時間
▼Ni-MH蓄電池で環境配慮
▼非常時もLEDで省メンテ(豆電球レス)

◇ラインアップ
▼電池内蔵型
電源部分離タイプ埋込・天井取付可能・防雨型「NNF20241Z」
電源部分離タイプ直付・天井取付可能・防雨型「NNF20242Z」
電源部分離タイプ埋込・防雨型「NNF20246Z」
電源部分離タイプ直付・防雨型「NNF20247Z」
▼予備電源別置型
天井取付可能・防雨型「NNF20293Z」
防雨型「NNF20298Z」
▼LED消火栓表示灯
5形消火栓表示灯・消防設備用一般型「NNF70013」
5形消火栓表示灯・消防設備以外向け防雨型「NNF70014」

LED消火栓表示灯

東芝ライテック

施工性とメンテ性改善 LED誘導灯

現在、省施工・省メンテナンス・省エネに配慮したLED誘導灯の新商品をラインアップしている。設置時の施工性と点検、メンテナンス時の利便性を大きく改善した誘導灯へフルモデルチェンジすることでユーザーの課題解決をサポートし、安心・安全の確保に貢献する。
さまざまなビルや施設の安心・安全を支える防災照明のひとつとして、誘導灯は災害時などの停電時に避難を速やかに行うため、関連法規により用途・規模に応じた設置、定格点灯時間の点検が義務付けられている。昨今、建設現場での深刻な人手不足に加え、短い工期で設置を求められるケースが増加し、施工性、メンテナンス性の改善が課題となっている。
誘導灯は非常時のみならず常時点灯して使用するため、同社は早くからLED光源を採用し、省エネ化をはかってきた。日本照明工業会が掲げる2030年までに国内照明器具ストック市場におけるSSL化100%計画を踏まえ、さらなる省電力化で既存光源からのリニューアルを加速する。

【おもな特長】

LED誘導灯

①施工時間を約53%短縮
器具構造を変更することで器具本体に広い配線スペースを確保し、電源線の配線処理のしやすさと、取り付けやすさを追求。蓄電池、LEDモジュールを誘導灯に取り付けた状態で手元に届けることで現場での部品取り付け工数を削減し、パネル取り付け部と器具本体をコネクターによるワンタッチ接続にすることで、施工時間の短縮をはかった。
人手不足や短い工期への対応といった課題を持つユーザーに推奨する。

②設置後の省メンテナンスを実現
点検用リモコンを使用することで、法令で定められている定格点灯時間の点検作業を行える。脚立等の準備の必要がなく、従来の点検紐や点検スイッチの操作による作業と比べ効率的な点検が可能になる。専用リモコンは、双方向通信を行う自己点検機能を搭載し、点検後の蓄電池とLEDモジュールの状態、蓄電池とLEDモジュールの形名を専用リモコンの液晶部に表示するので省メンテナンスを実現する。

③電気料金を78〜90%削減
従来の蛍光ランプや冷陰極ランプを使用した誘導灯と比較してLEDを使用した誘導灯は消費電力が低く、既設の誘導灯からリニューアルすることで点灯時間の長い誘導灯では大幅な電気代削減が見込めるため、リニューアルに推奨する。

ホタルクス

災害時に10時間点灯最大

Nuシリーズ

 現在、もしもの停電時に安全・安心のあかりを提供するLED一体型ベース照明「防災用Nuシリーズ」を発売している。
特別な工事を必要とせずに導入することが可能で、建築基準法で定められた30分の点灯時間に加えて災害時の長時間停電時を想定した最大10時間の点灯によって長期滞在の安全・安心をサポートする。

【おもな特長】

1、停電時、最大10時間の非常点灯
蓄電池には高性能で安全性の高いリン酸鉄リチウムイオン電池を採用。停電時は通常時の約10分の1の明るさで最大10時間の点灯が可能となっている。
2、停電を自動検知
停電検知送信機(EPSS送信機)により、常時給電されている電源コンセントの電圧状況を監視することで使用者による壁スイッチでの照明操作と停電を自動で判別し検知。
通常時は一般照明と変わりのない使用感で停電時には速やかに非常点灯を開始する。

3、非常点灯時の操作
停電時の日中などあかりを必要としない状況では停電検知送信機のスイッチ操作にて消灯・点灯をコントロールできる。
蓄電池の使用量を抑えることで、夜間の停電に備えることができる。

4、Nuシリーズ同士では光源部のみの取り換えが可能
一般タイプNuシリーズ使用のユーザーは光源部分が既設品と同様の取付け・給電構造となり、専用の電気工事を必要とせずに光源部分のみの交換も可能となっている。使用者自身が容易に防災用Nuシリーズを配置変更できる。

岩崎電気

夜間停電時の不安低減

現在、防災用LED停電補償装置「LEDioc ANSEEN(アンシーン)」を発売している。自然災害や事故による夜間停電時の危険や不安を和らげ、必要最低限のあかりで最大3夜連続点灯を維持する。
平常時に商用電源からバッテリーに充電しながら夜間100%点灯し、停電時にはバッテリーにより平常時の約10%の明るさで自動点灯する。
最大で3夜連続点灯が可能な停電補償装置ということで新設はもちろん、既設の街路灯や道路灯、公園灯の照明ポールにも設置できるため、低コストで導入できる。発生が予測できない災害時において必要最低限の明るさを確保する。
①停電発生時は調光して点灯を維持
平常時にバッテリーに蓄えた電力で停電時に自動点灯する。約10%の明るさで最大3夜連続点灯が可能で、昼夜検出センサにより夜間に点灯、電力使用を必要時のみに制御する。

②既設ポールにも設置可能で低コストを実現
新設はもちろん既設の照明ポールにも取付けが可能なため、低コストで導入できる。

③バッテリーチェック機能付き
点灯制御ボックスの外からは停電時に表示ランプによってバッテリー残量を確認できる。点灯制御ボックス内部のチェックボタンで器具点灯およびバッテリー残量を確認できる。

④選べる平常点灯時の点灯制御タイプ
2種類の点灯制御タイプから平常使用の状況に応じた選択ができる(停電時は昼夜検出センサで動作)。
連接タイプ:分電盤などで点灯・消灯制御
単独タイプ:点灯制御ボックスの昼夜検出センサで点灯・消灯制御

星和電機

防爆エリアもLED化

防爆形非常用LED灯器具

防湿・防水形非常用LED灯器具

現在、誘導灯として防爆形LED誘導灯「LZUB」を、非常用照明器具として防爆形の「VZBA-V2」「LZLA-E」をはじめ防湿・防水形の「VYAA・VYBA」、密閉形の「VCMA-V2」をラインアップしている。

VZBA-V2シリーズは、IEC規格整合(国際整合防爆指針)に適合し、爆発性危険場所ZONE1、ZONE2および水素ガスが発生する場所でも使用できる。1台で通常時・非常時ともに安心・安全な明かりを確保でき、防爆エリアのオールLED化を実現する。

VYAA・VYBAシリーズは、保護等級IP55適合で粉じんが発生する屋内環境や屋根のない屋外環境に設置できる。固有エネルギー消費効率は142lm/Wで、防水形非常用LED照明器具において業界最高クラスのエネルギー効率を実現。非常点灯時の設置間隔が従来光源(蛍光灯)の製品よりも広くとれるために設置台数を削減でき、新設・更新時のイニシャルコストを抑えられる。

VCMAシリーズは、保護等級IP55適合で粉じんが発生する屋内環境や屋根のない屋外環境に設置できる。同社独自の光学設計技術を活かし、配光制御による明るさ確保で通常時・非常時ともに効率的な明るさを実現。とくに、非常点灯時は従来光源(蛍光灯)の製品よりも設置間隔が広くとれるため、設置台数を削減でき、イニシャルコストを低減できる。

電材流通新聞2022年2月24日号掲載